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「丁度着いたよ!」
譲社長との電話が終わったタイミングで唯斗君からそう言われ、到着したお店の外観を唯斗君が車を駐車させている中から眺める。
「お洒落なお店だね・・・。」
「俺が毎回選んでるからそれはお洒落に決まってるでしょ!」
唯斗君に視線を移すと、唯斗君は本当にお洒落な男の子で。
昔から凄くお洒落で今も変わらずお洒落が大好きな男の子で。
「この前唯乃に会った時、唯乃も高級そうなスーツを着てた。」
「うん、姉ちゃんも結構拘り強いからねー。」
すぐに綺麗に駐車した唯斗君が、運転席の扉を開けながら私に軽い口調で言ってきた。
「俺からもみんなに説明するよ!」
「え・・・?」
「“waka”のデザイナーってあの若松さんじゃん!!
みんなとはこの前“あんな安物の服”なんて悪口言ってたけど、可愛い女の子達からめちゃくちゃ支持されてるブランドだからね!!」
「うん・・・。」
「俺がみんなに“Koseki”の服を着せるよ!!」
唯斗君がそんなことを言ってくれた後、運転席から降りて私が座る後部座席の扉を開けてくれた。
「俺、アパレルで働くのが昔からの夢だったんだ!!」
凄く凄く嬉しそうに笑う唯斗君がそう言って、私に手を差し出してくれた。
「売りまくろう、俺ら分家の人間達が働く“Koseki”の服を。」
唯斗君の言葉に自然と唯斗君の手を握った。
強く強く、握った。
「この日本中に、いや・・・世界中に“Koseki”の服を着た人達でいっぱいにしよう!!」
その言葉に深く頷きながら唯斗君の車から一歩、足を踏み出した。
「行こうか、羽鳥社長。」
唯斗君が私のことをスマートにエスコートをしてくれながら、お洒落なお店へと向かっていく。
「俺達は1人じゃ財閥のトップになんて立てない人間だけど・・・」
言葉を切った唯斗君が青い空を見上げた。
「俺達全員が集まれば、うちの財閥1の会社を作ることだって夢じゃないっしょ!!」
私も空を見上げ、自然と大きく笑った。
それから大きく大きく息を吸って、このお洒落なお店の扉を唯斗君ではなく私の手で開いた。
そこには・・・
貸し切りになっていることが一目で分かった店内。
久しぶりに見る若い年代の分家の人間達が、楽しそうに話している。
みんなお洒落な服を着て。
みんな高級そうな服を着て。
そのみんなが次々と扉の所に立つ私と唯斗君のことに気付いた。
「あれ・・・一美・・・?」
唯乃の声で残りの人間達が一斉に私のことを見た。
そのみんなが私のことを見たことを確認し、私は困った顔で笑った。
でも、大きな大きな口を開けた。
「私も“いけないコト”をしちゃったから仲間に入れて!!」
.
譲社長との電話が終わったタイミングで唯斗君からそう言われ、到着したお店の外観を唯斗君が車を駐車させている中から眺める。
「お洒落なお店だね・・・。」
「俺が毎回選んでるからそれはお洒落に決まってるでしょ!」
唯斗君に視線を移すと、唯斗君は本当にお洒落な男の子で。
昔から凄くお洒落で今も変わらずお洒落が大好きな男の子で。
「この前唯乃に会った時、唯乃も高級そうなスーツを着てた。」
「うん、姉ちゃんも結構拘り強いからねー。」
すぐに綺麗に駐車した唯斗君が、運転席の扉を開けながら私に軽い口調で言ってきた。
「俺からもみんなに説明するよ!」
「え・・・?」
「“waka”のデザイナーってあの若松さんじゃん!!
みんなとはこの前“あんな安物の服”なんて悪口言ってたけど、可愛い女の子達からめちゃくちゃ支持されてるブランドだからね!!」
「うん・・・。」
「俺がみんなに“Koseki”の服を着せるよ!!」
唯斗君がそんなことを言ってくれた後、運転席から降りて私が座る後部座席の扉を開けてくれた。
「俺、アパレルで働くのが昔からの夢だったんだ!!」
凄く凄く嬉しそうに笑う唯斗君がそう言って、私に手を差し出してくれた。
「売りまくろう、俺ら分家の人間達が働く“Koseki”の服を。」
唯斗君の言葉に自然と唯斗君の手を握った。
強く強く、握った。
「この日本中に、いや・・・世界中に“Koseki”の服を着た人達でいっぱいにしよう!!」
その言葉に深く頷きながら唯斗君の車から一歩、足を踏み出した。
「行こうか、羽鳥社長。」
唯斗君が私のことをスマートにエスコートをしてくれながら、お洒落なお店へと向かっていく。
「俺達は1人じゃ財閥のトップになんて立てない人間だけど・・・」
言葉を切った唯斗君が青い空を見上げた。
「俺達全員が集まれば、うちの財閥1の会社を作ることだって夢じゃないっしょ!!」
私も空を見上げ、自然と大きく笑った。
それから大きく大きく息を吸って、このお洒落なお店の扉を唯斗君ではなく私の手で開いた。
そこには・・・
貸し切りになっていることが一目で分かった店内。
久しぶりに見る若い年代の分家の人間達が、楽しそうに話している。
みんなお洒落な服を着て。
みんな高級そうな服を着て。
そのみんなが次々と扉の所に立つ私と唯斗君のことに気付いた。
「あれ・・・一美・・・?」
唯乃の声で残りの人間達が一斉に私のことを見た。
そのみんなが私のことを見たことを確認し、私は困った顔で笑った。
でも、大きな大きな口を開けた。
「私も“いけないコト”をしちゃったから仲間に入れて!!」
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