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────────────・・・・
「・・・ン」
目を開けると、私の部屋のベッドで一緒に寝ていた幸治君が上半身を起こしたところだった。
「まだ寝てて大丈夫ですよ。」
優しい優しい顔で笑っている幸治君の顔が、薄暗い部屋の中でゆっくりと私の顔に下りてきた。
“あれから”キスをすることがなかったのに・・・。
ドキドキとしながら待っていると、チュッ─────...と・・・
唇ではなく頬にキスをされて。
それには胸が苦しくなった。
でも、“たまたま”なのか幸治君の片手は私の下腹部に優しく添えられていて・・・。
“苦しい”中で無意識に幸治君の手に自分の手を重ねる。
「洗濯も掃除も子ども達の世話もしておきますので、一美さんはゆっくり寝てな?
生理ですからね。」
「うん・・・。」
私が重ねた手をそのままに、幸治君は私の下腹部を優しく優しく撫でてくれる。
大きくて温かい幸治君の手。
大人の男の人になっている幸治君が私の下腹部を優しく撫でていく。
「何なら食べられそう?」
「・・・サッパリした物。」
「和食?」
「う~ん・・・あ、サンドイッチ。」
「サンドイッチ・・・!!!
作ったことないっすけど頑張ります!!!」
大きく笑った幸治君が立ち上がると桜もベッドから立ち上がり、大きく伸びをしてから幸治君の後をついていっていた。
私のことも好きでいてくれている桜。
でも、どこをどう見ても幸治君のことも大好きで。
「桜には可哀想なことをしちゃう・・・。」
それは分かっているけれど、私はもう1度下腹部に手を添えた。
「でもやっぱり、産みたい・・・。」
結婚もしていない私のお腹に赤ちゃんがいると知られてしまったら、この子を産むことが出来ないような気がしてしまう。
お父さんやお母さんやお兄ちゃん、和希や望さんだって“何”を言うか分からない。
“この子”の存在を認めてくれないかもしれない。
“この子”が私のお腹に来てくれたことを喜んでくれないなんて、どうしても無理で。
そんなの、死ぬほど無理で。
私に攻撃をしてくるであろう分家の人間達以上に、家族に認めて貰えない、喜んで貰えないという“この子”があまりにも可哀想で。
それを思うと、泣いてしまう。
“普通”に泣くでもなく号泣してしまう。
明らかにホルモンの影響だと分かる。
頭では分かる。
“普通”の判断能力でもなければ“普通”の思考能力ではなくなっていると頭では分かっている。
なのに、逆らえない。
この“普通”ではないくらいの、強い強い感情が私の全てを埋め尽くしている。
“赤ちゃんを守らないと”
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「・・・ン」
目を開けると、私の部屋のベッドで一緒に寝ていた幸治君が上半身を起こしたところだった。
「まだ寝てて大丈夫ですよ。」
優しい優しい顔で笑っている幸治君の顔が、薄暗い部屋の中でゆっくりと私の顔に下りてきた。
“あれから”キスをすることがなかったのに・・・。
ドキドキとしながら待っていると、チュッ─────...と・・・
唇ではなく頬にキスをされて。
それには胸が苦しくなった。
でも、“たまたま”なのか幸治君の片手は私の下腹部に優しく添えられていて・・・。
“苦しい”中で無意識に幸治君の手に自分の手を重ねる。
「洗濯も掃除も子ども達の世話もしておきますので、一美さんはゆっくり寝てな?
生理ですからね。」
「うん・・・。」
私が重ねた手をそのままに、幸治君は私の下腹部を優しく優しく撫でてくれる。
大きくて温かい幸治君の手。
大人の男の人になっている幸治君が私の下腹部を優しく撫でていく。
「何なら食べられそう?」
「・・・サッパリした物。」
「和食?」
「う~ん・・・あ、サンドイッチ。」
「サンドイッチ・・・!!!
作ったことないっすけど頑張ります!!!」
大きく笑った幸治君が立ち上がると桜もベッドから立ち上がり、大きく伸びをしてから幸治君の後をついていっていた。
私のことも好きでいてくれている桜。
でも、どこをどう見ても幸治君のことも大好きで。
「桜には可哀想なことをしちゃう・・・。」
それは分かっているけれど、私はもう1度下腹部に手を添えた。
「でもやっぱり、産みたい・・・。」
結婚もしていない私のお腹に赤ちゃんがいると知られてしまったら、この子を産むことが出来ないような気がしてしまう。
お父さんやお母さんやお兄ちゃん、和希や望さんだって“何”を言うか分からない。
“この子”の存在を認めてくれないかもしれない。
“この子”が私のお腹に来てくれたことを喜んでくれないなんて、どうしても無理で。
そんなの、死ぬほど無理で。
私に攻撃をしてくるであろう分家の人間達以上に、家族に認めて貰えない、喜んで貰えないという“この子”があまりにも可哀想で。
それを思うと、泣いてしまう。
“普通”に泣くでもなく号泣してしまう。
明らかにホルモンの影響だと分かる。
頭では分かる。
“普通”の判断能力でもなければ“普通”の思考能力ではなくなっていると頭では分かっている。
なのに、逆らえない。
この“普通”ではないくらいの、強い強い感情が私の全てを埋め尽くしている。
“赤ちゃんを守らないと”
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