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会社を早退し、会社の最寄り駅から数駅離れた小さなレディースクリニックへと来た。
かかりつけの病院に行けばお父さんに知られてしまうだろうから。
オフィス街の中、小さめのビルの中に入っている小さな病院。
お仕事の途中で来たであろう女性が2人いるだけの待合室。
綺麗だけど狭い待合室で問診票などを記載していた時・・・
「・・・・いいです!!もう来ません!!」
診察室がある向こう側から女性のそんな声が聞こえてきた。
それには驚きながら顔を上げると、スーツ姿の女性が凄く怒りながら待合室の椅子にドカッと座った。
明らかにイライラとしている雰囲気がその女性から漂う中でも、私以外の2人の女性は平然とした顔で待合室の椅子に座っていて。
その光景を見て、何処の病院に行くか調べた時のこの病院の口コミを思い出した。
先生に対する口コミの評価が真っ二つに分かれていた。
“妊娠しているか分かれば良い”
その時はそう思い、会社から数駅離れ、実家とは反対側にある小さなレディースクリニックを選んだ。
“誰にも知られてはいけない”
その想いだけで、この病院に来た。
「妊娠してますね。」
問診票を受付に提出した後にお小水を取った後、数分後に呼ばれた診察室でピクリとも顔を動かさない年配の男性の先生からアッサリとそう言われた。
私が椅子に座った瞬間にそう言われ、覚悟していたはずなのに頭の中が真っ白になってしまう。
「そっちの部屋入って。」
先生はサッと立ち上がり裏の方へ消えていき、苦しくなる胸をおさえながら私も立ち上がり、看護師さんが優しい声で説明してくれた通りに隣の部屋へ移動をして準備を進めた。
下着を脱いだ状態でカーテンのこちら側から診察台に座ると、毎月やっている検査と同じように先生が私の膣に管のような物を入れていく。
すぐそこにある白黒のモニターを呆然としながら見詰めるしか出来ず、嫌な音を鳴らし続ける心臓の音を聞きながらそのモニターを眺めていく。
「今7週目かな~・・・。
心拍も確認出来るね。」
モニターの中で白い矢印が動き、先生が淡々と説明していくけれど何も頭の中には入っていかない。
全然入っていかない。
“どうしよう”
“どうしよう”
“どうしよう”
それしか頭の中に浮かんでこない。
それだけしか考えられない。
「相手とちゃんと話し合って。」
診察室に戻った後、やっぱりピクリとも顔を動かさない先生の第一声がその言葉だった。
「次の診察は4週間後。
心拍も確認出来てる・・・・・・で、これは役所に提出する書類。」
先生は淡々と話ながら書類にボールペンを走らせ、ピクリとも動かない顔で私に書類を渡してきた。
そして・・・
「避妊しなかったら妊娠することもあるというのは当たり前でしょう。」
低い声でそんなことを言ってきて・・・。
「結婚してないんだったらこうならないように気を付けないと。」
そんなことまで言われ・・・
「避妊には気を付けていました・・・。
ちゃんとつけていましたけど、破れてしまって・・・。」
“苦しい”中でも思わず反論した私に、ピクリとも動かない顔を少しだけ動かした先生。
その顔はとても嫌な顔で・・・。
私のことを凄くバカにしたような顔で・・・。
「そんなことは知りませんよ。
結果的にこうなったことが全てでしょう。」
かかりつけの病院に行けばお父さんに知られてしまうだろうから。
オフィス街の中、小さめのビルの中に入っている小さな病院。
お仕事の途中で来たであろう女性が2人いるだけの待合室。
綺麗だけど狭い待合室で問診票などを記載していた時・・・
「・・・・いいです!!もう来ません!!」
診察室がある向こう側から女性のそんな声が聞こえてきた。
それには驚きながら顔を上げると、スーツ姿の女性が凄く怒りながら待合室の椅子にドカッと座った。
明らかにイライラとしている雰囲気がその女性から漂う中でも、私以外の2人の女性は平然とした顔で待合室の椅子に座っていて。
その光景を見て、何処の病院に行くか調べた時のこの病院の口コミを思い出した。
先生に対する口コミの評価が真っ二つに分かれていた。
“妊娠しているか分かれば良い”
その時はそう思い、会社から数駅離れ、実家とは反対側にある小さなレディースクリニックを選んだ。
“誰にも知られてはいけない”
その想いだけで、この病院に来た。
「妊娠してますね。」
問診票を受付に提出した後にお小水を取った後、数分後に呼ばれた診察室でピクリとも顔を動かさない年配の男性の先生からアッサリとそう言われた。
私が椅子に座った瞬間にそう言われ、覚悟していたはずなのに頭の中が真っ白になってしまう。
「そっちの部屋入って。」
先生はサッと立ち上がり裏の方へ消えていき、苦しくなる胸をおさえながら私も立ち上がり、看護師さんが優しい声で説明してくれた通りに隣の部屋へ移動をして準備を進めた。
下着を脱いだ状態でカーテンのこちら側から診察台に座ると、毎月やっている検査と同じように先生が私の膣に管のような物を入れていく。
すぐそこにある白黒のモニターを呆然としながら見詰めるしか出来ず、嫌な音を鳴らし続ける心臓の音を聞きながらそのモニターを眺めていく。
「今7週目かな~・・・。
心拍も確認出来るね。」
モニターの中で白い矢印が動き、先生が淡々と説明していくけれど何も頭の中には入っていかない。
全然入っていかない。
“どうしよう”
“どうしよう”
“どうしよう”
それしか頭の中に浮かんでこない。
それだけしか考えられない。
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診察室に戻った後、やっぱりピクリとも顔を動かさない先生の第一声がその言葉だった。
「次の診察は4週間後。
心拍も確認出来てる・・・・・・で、これは役所に提出する書類。」
先生は淡々と話ながら書類にボールペンを走らせ、ピクリとも動かない顔で私に書類を渡してきた。
そして・・・
「避妊しなかったら妊娠することもあるというのは当たり前でしょう。」
低い声でそんなことを言ってきて・・・。
「結婚してないんだったらこうならないように気を付けないと。」
そんなことまで言われ・・・
「避妊には気を付けていました・・・。
ちゃんとつけていましたけど、破れてしまって・・・。」
“苦しい”中でも思わず反論した私に、ピクリとも動かない顔を少しだけ動かした先生。
その顔はとても嫌な顔で・・・。
私のことを凄くバカにしたような顔で・・・。
「そんなことは知りませんよ。
結果的にこうなったことが全てでしょう。」
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