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一美side.......
翌日 日曜日の夜
「こんなに美味しい焼きそばを初めて食べた~!」
仕事終わりの幸治君と一緒に買ったレジャーシートに座り、屋台で買った焼きそばを食べていく。
初めて食べた屋台の食べ物、こんなに美味しい焼きそばを私は初めて食べた。
「こっちのお好み焼きも美味しいですよ?」
幸治君が食べやすく切ったお好み焼きを割り箸でつまみ、それを私の口元に運んでくれた。
幸治君の自然な動作に私も自然と口を開け、お好み焼きをパクッ─────...と食べた。
そして・・・
「美味し~い・・・っっ!!!
私お好み焼きを初めて食べた!!!
こんなに美味しかったんだ!!!」
初めて食べたお好み焼きはビックリするくらい美味しかった。
「お好み焼き初めて食べたんですか?
うちホットプレートがあるので今度家でやります?
職場の人達でお好み焼きパーティーをあの人抜きでしたことが何度かあるんですよね。」
「お家でお好み焼きが本当に出来るんだぁ!
やってみたい!!
所長さんも誘ってあげればよかったのに、可哀想に。」
「あの人はお好み焼きとか食べられないんですよね。
“よく分からない食べ物”っていう認識になるらしいですよ、こんなに美味しいのに。」
幸治君の話に大きく笑い、それからまた上を見上げた。
幸治君と私の頭の上には夜の空をバッグに桜の花が広がっている。
幸治君と私の頭の上だけではない。
この公園にいる沢山の人達の頭の上に淡いピンク色の桜の花が広がっている。
「幸治君と“初めて”のお花見、幸せだな。」
ブタネコ之助のことを抱き締めながら、私のすぐ隣に座る幸治君の肩にトンッと頭をのせた。
「いや、朝から言ってますけど“初めて”じゃなくて2回目ですからね?
昨日の花見にも俺いましたから。」
「幸治君が来てくれたことは覚えてるけど、幸治君の姿を見て凄く凄く嬉しくなった後のことは何も覚えてないんだもん。」
「マジでただのエロいお姉さんだったよ?
最後の方はあの子達の前で普通に俺との夜の夫婦生活の話まで始めようとしてて、それには慌てて俺が一美さんのことを連れて帰った。」
「やだ~・・・恥ずかしい・・・っもうあの子達に会えない!!」
「連絡先も交換していませんしもう会うことはありませんよ。」
「連絡先を交換しておけばよかったな・・・。」
「・・・それは無理、マジで無理。
俺は一美さんと交換出来てないのにマジで無理。」
旦那さんである幸治君がそう嘆き・・・
幸治君の肩の上にのっている私の頭に優しく手をのせた。
「うちの奥さんはやっぱり年下の男の子が大好きだと分かり、旦那はヒヤヒヤですよ。」
私の髪の毛を指先で優しくといていく。
「若い男の子は可愛いなと思うくらいだよ?」
「“可愛い可愛い”を連呼してましたもんね?
旦那はそれにヒヤヒヤして夜の夫婦生活に気合いを入れましたよ。」
「気合いを入れすぎだよ~。
“Hatori”のスーツの店員さん、私がフラフラ歩いてて絶対にバレちゃってたよ?」
「バレたとしたら俺が気合いを入れたせいではなく、一美さんが“ちょっと筋肉痛で”ってめちゃくちゃ恥ずかしそうに言ったアレですよ。」
「こんなに筋肉痛になったのも初めてだよ~。」
「マジでただのエロいお嬢様でしたからね?
俺の“ペン”を虐めまくって大喜びしてましたから。」
「もう・・・っ覚えてないから言わないでぇ。
それに“ペン”って・・・凄くエッチ・・・。」
「え?何が?ペンの何がエロいの?」
「もぉ~・・・・っ」
お酒も持ってくる予定だったけれど“明日は月曜日だから”と幸治君から止められた。
私は何も覚えていないけれど凄くえっちな“いけないコト”をしまくったと幸治君から聞いている。
「“Hatori”でオーダーメイドをした幸治君のスーツ、早く受け取りたいなぁ。」
月曜日の明日から着て欲しかったくらいに幸治君のお顔と身体に合っているスーツなはずで。
「奥さんが買ってくれたスーツなので今後はスーツでエロい“いけないコト”はしませんよ?」
「私だって旦那さんが買ってくれたスーツだからエッチな“いけないコト”はしないもん。」
そう宣言をして温かいお茶が入っているボトルを持ち上げ飲んだ時、ボトルから唇を離したタイミングで幸治君が私の手に大きな手を重ね、そのボトルを自分の口元へ持っていきお茶を飲んだ。
そしてボトルから唇を離すと・・・
「あ、ネイル新しい。」
私が髪の毛を染めたことには気付かなかった幸治君は私のネイルには気付いた。
「よく気付いたね?」
「今回は花が描いてあるから。
今日の朝に別れた時はシンプルな爪だったし。
・・・あ、桜?可愛い。」
「うん、今日のお花見が楽しみすぎて。
幸治君がお仕事に行っている間にネイルに行って、桜のネイルにして貰ったの。」
「俺はこれで花見のし放題じゃん。」
「これではお花見は出来ないよぉ!」
「普通に出来るし、なんなら実物の桜の花よりも一美さんの爪の桜の花の方が綺麗だし。」
「それは嘘!」
「いや、マジで。」
「もぉ~・・・。」
幸治君と“初めて”したお花見は凄く楽しくて、凄く凄く幸せで。
見上げた桜の花はこれまで生きてきた中で1番綺麗な桜の花だった。
「桜の花が散っちゃうのは嫌だな・・・。」
膝の上に広げている幸治君から貰ったタオルハンカチを握り締めながら小さく呟いた。
そしたら・・・
「来年もまた一緒にお花見をしましょう。」
幸治君が未来の約束をしてきて、私はそれに頷けずにいた。
そんな私の肩に幸治君の大きな手が移動し、キュッ──────...とされた。
「俺は来年も一美さんと一緒にお花見をしますから。」
幸治君からのその言葉を聞きながら見上げていた桜の花は、涙が流れるくらいに綺麗だった。
翌日 日曜日の夜
「こんなに美味しい焼きそばを初めて食べた~!」
仕事終わりの幸治君と一緒に買ったレジャーシートに座り、屋台で買った焼きそばを食べていく。
初めて食べた屋台の食べ物、こんなに美味しい焼きそばを私は初めて食べた。
「こっちのお好み焼きも美味しいですよ?」
幸治君が食べやすく切ったお好み焼きを割り箸でつまみ、それを私の口元に運んでくれた。
幸治君の自然な動作に私も自然と口を開け、お好み焼きをパクッ─────...と食べた。
そして・・・
「美味し~い・・・っっ!!!
私お好み焼きを初めて食べた!!!
こんなに美味しかったんだ!!!」
初めて食べたお好み焼きはビックリするくらい美味しかった。
「お好み焼き初めて食べたんですか?
うちホットプレートがあるので今度家でやります?
職場の人達でお好み焼きパーティーをあの人抜きでしたことが何度かあるんですよね。」
「お家でお好み焼きが本当に出来るんだぁ!
やってみたい!!
所長さんも誘ってあげればよかったのに、可哀想に。」
「あの人はお好み焼きとか食べられないんですよね。
“よく分からない食べ物”っていう認識になるらしいですよ、こんなに美味しいのに。」
幸治君の話に大きく笑い、それからまた上を見上げた。
幸治君と私の頭の上には夜の空をバッグに桜の花が広がっている。
幸治君と私の頭の上だけではない。
この公園にいる沢山の人達の頭の上に淡いピンク色の桜の花が広がっている。
「幸治君と“初めて”のお花見、幸せだな。」
ブタネコ之助のことを抱き締めながら、私のすぐ隣に座る幸治君の肩にトンッと頭をのせた。
「いや、朝から言ってますけど“初めて”じゃなくて2回目ですからね?
昨日の花見にも俺いましたから。」
「幸治君が来てくれたことは覚えてるけど、幸治君の姿を見て凄く凄く嬉しくなった後のことは何も覚えてないんだもん。」
「マジでただのエロいお姉さんだったよ?
最後の方はあの子達の前で普通に俺との夜の夫婦生活の話まで始めようとしてて、それには慌てて俺が一美さんのことを連れて帰った。」
「やだ~・・・恥ずかしい・・・っもうあの子達に会えない!!」
「連絡先も交換していませんしもう会うことはありませんよ。」
「連絡先を交換しておけばよかったな・・・。」
「・・・それは無理、マジで無理。
俺は一美さんと交換出来てないのにマジで無理。」
旦那さんである幸治君がそう嘆き・・・
幸治君の肩の上にのっている私の頭に優しく手をのせた。
「うちの奥さんはやっぱり年下の男の子が大好きだと分かり、旦那はヒヤヒヤですよ。」
私の髪の毛を指先で優しくといていく。
「若い男の子は可愛いなと思うくらいだよ?」
「“可愛い可愛い”を連呼してましたもんね?
旦那はそれにヒヤヒヤして夜の夫婦生活に気合いを入れましたよ。」
「気合いを入れすぎだよ~。
“Hatori”のスーツの店員さん、私がフラフラ歩いてて絶対にバレちゃってたよ?」
「バレたとしたら俺が気合いを入れたせいではなく、一美さんが“ちょっと筋肉痛で”ってめちゃくちゃ恥ずかしそうに言ったアレですよ。」
「こんなに筋肉痛になったのも初めてだよ~。」
「マジでただのエロいお嬢様でしたからね?
俺の“ペン”を虐めまくって大喜びしてましたから。」
「もう・・・っ覚えてないから言わないでぇ。
それに“ペン”って・・・凄くエッチ・・・。」
「え?何が?ペンの何がエロいの?」
「もぉ~・・・・っ」
お酒も持ってくる予定だったけれど“明日は月曜日だから”と幸治君から止められた。
私は何も覚えていないけれど凄くえっちな“いけないコト”をしまくったと幸治君から聞いている。
「“Hatori”でオーダーメイドをした幸治君のスーツ、早く受け取りたいなぁ。」
月曜日の明日から着て欲しかったくらいに幸治君のお顔と身体に合っているスーツなはずで。
「奥さんが買ってくれたスーツなので今後はスーツでエロい“いけないコト”はしませんよ?」
「私だって旦那さんが買ってくれたスーツだからエッチな“いけないコト”はしないもん。」
そう宣言をして温かいお茶が入っているボトルを持ち上げ飲んだ時、ボトルから唇を離したタイミングで幸治君が私の手に大きな手を重ね、そのボトルを自分の口元へ持っていきお茶を飲んだ。
そしてボトルから唇を離すと・・・
「あ、ネイル新しい。」
私が髪の毛を染めたことには気付かなかった幸治君は私のネイルには気付いた。
「よく気付いたね?」
「今回は花が描いてあるから。
今日の朝に別れた時はシンプルな爪だったし。
・・・あ、桜?可愛い。」
「うん、今日のお花見が楽しみすぎて。
幸治君がお仕事に行っている間にネイルに行って、桜のネイルにして貰ったの。」
「俺はこれで花見のし放題じゃん。」
「これではお花見は出来ないよぉ!」
「普通に出来るし、なんなら実物の桜の花よりも一美さんの爪の桜の花の方が綺麗だし。」
「それは嘘!」
「いや、マジで。」
「もぉ~・・・。」
幸治君と“初めて”したお花見は凄く楽しくて、凄く凄く幸せで。
見上げた桜の花はこれまで生きてきた中で1番綺麗な桜の花だった。
「桜の花が散っちゃうのは嫌だな・・・。」
膝の上に広げている幸治君から貰ったタオルハンカチを握り締めながら小さく呟いた。
そしたら・・・
「来年もまた一緒にお花見をしましょう。」
幸治君が未来の約束をしてきて、私はそれに頷けずにいた。
そんな私の肩に幸治君の大きな手が移動し、キュッ──────...とされた。
「俺は来年も一美さんと一緒にお花見をしますから。」
幸治君からのその言葉を聞きながら見上げていた桜の花は、涙が流れるくらいに綺麗だった。
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