【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

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リビングのソファーでブタネコ之助を強く抱き締めながら、静かな部屋の中で“中華料理屋 安部”のティーシャツと幸治君のスウェットとパーカー姿でボーッとする。



随分と長い時間ボーッとしていて・・・。



時計を見るとそろそろ新年を迎えようとしている時間だった。



まだ帰ってこない幸治君のことをブタネコ之助と静かに待ち続けていると・・・



「ただいま。」



玄関の鍵が開く音が聞こえた後、すぐに扉が開き幸治君の“ただいま。”という声が聞こえた。



それにはブタネコ之助を抱き締めたまま玄関へと走って。



この短い廊下を全力で走って。



「お帰りなさい・・・！！！」



幸治君の胸に飛び込んだ。 



勢いよく飛び込んだ私の身体を、しっかりとした身体の幸治君がちゃんと抱き留めてくれた。



そして両手で強く私のことを抱き締めてくれる。



強いのに優しい・・・



幸治君の抱き締め方で私のことを抱き締めてくれているのを感じた。



それが分かって凄く安心した。



凄く凄く“嬉しい”と思った。



そう思いながら、お化粧を落とした顔で全力で泣く。
幸治君の肩に顔を押し付けながら・・・。



「生まれ変わってくれてありがとう・・・！！」



“中華料理屋 安部”として楽しく生きていたことも事実である幸治君に、泣きながら伝えた。



「俺の方こそ再会したあの日、“普通の幸治君”に会いに来てくれてありがとうございました。
俺は“普通の男”なので俺から一美さんに会いに行くことは出来なかったから。」



幸治君の静かな声が私の身体に、この胸に響いていく。



私の首筋にソッと顔を埋めた幸治君が静かなのに力強い声を出す。



「次は“凄い幸治君”に生まれ変わりますから。
今度は“凄い男”なので、一美さんが何処で何をしていようといつでも迎えに行けます。」



「うん・・・っ。」



「“普通の幸治君”のことも忘れないでくれますか？」



「うん・・・っ。」



「俺のことも・・・好き？」



「う・・・ﾝｯ」



“うん”と言い終わる前に、幸治君に唇を塞がれた。



優しく・・・



でも不思議と強く・・・



いつものように、塞がれた。