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カウンターの向こう側から幸治君に聞かれ、私は両手で溢れてきた涙を拭う。
「あ、すみません。
ハンカチ準備しておくの忘れた。
ティッシュでいいですか?」
「・・・これ使うから大丈夫。
私の1番お気に入りのハンカチなの。」
膝の上に広げていた幸治君から貰ったタオルハンカチで涙を拭うと・・・
「早くそれ使えよ、ハンカチの意味!!
俺、マジでお嬢様とか無理。」
幸治君にまたそんなことを言われてしまい、でも楽しくて・・・。
泣きながら、笑いながら幸治君から貰ったタオルハンカチで涙を拭っていく。
そしたら・・・
「“中華料理屋 安部”がこのカウンターを越えて店を出て、追うことも隣に並ぶことも許されないくらいのお嬢様とかマジで無理ですけど、それでも俺はお嬢様の“羽鳥さん”のことが大好きです。」
カウンターの向こう側に立っている、“中華料理屋 安部”のティーシャツを着ている幸治君が顔を真っ赤にしながら必死に伝えてくる・・・。
「俺は、“羽鳥さん”のことがマジで・・・めちゃくちゃ、もう・・・死ぬほど大好きです。」
“羽鳥さん”を真っ直ぐと見て、そう吐き出してくれた。
それに号泣しながら何度も何度も頷く。
ずっと昔から聞きたかった言葉をやっと聞くことが出来たのだと感じる。
そしてそれ以上に、“中華料理屋 安部”がずっと“羽鳥さん”に向かって吐き出したかった言葉なのだと分かる。
“幸治君”のことを思うとこんなにも涙が流れた・・・。
“中華料理屋 安部”だった幸治君のことを思うとこんなにも“嬉しい”と思って・・・
こんなにも“幸せ”だと、私が思った。
幸治君から貰ったタオルハンカチで涙も鼻水も拭い、きっとお化粧が落ちて汚くなってしまっている顔のまま幸治君に笑い掛ける。
「醤油ラーメンを2つ。」
「2つ・・・?」
「一緒に食べよう?
今日の幸治君は“中華料理屋 安部”だけど、お客さんは私しかいないからいいでしょ?
私、幸治君と一緒に美味しい醤油ラーメンが食べたい。
私・・・“いけないコト”がしたいの。」
少し驚いた顔をした幸治君は嬉しそうに笑った。
「俺にラーメン2杯、ご馳走させてくれます?」
「うん・・・っっ」
.
「あ、すみません。
ハンカチ準備しておくの忘れた。
ティッシュでいいですか?」
「・・・これ使うから大丈夫。
私の1番お気に入りのハンカチなの。」
膝の上に広げていた幸治君から貰ったタオルハンカチで涙を拭うと・・・
「早くそれ使えよ、ハンカチの意味!!
俺、マジでお嬢様とか無理。」
幸治君にまたそんなことを言われてしまい、でも楽しくて・・・。
泣きながら、笑いながら幸治君から貰ったタオルハンカチで涙を拭っていく。
そしたら・・・
「“中華料理屋 安部”がこのカウンターを越えて店を出て、追うことも隣に並ぶことも許されないくらいのお嬢様とかマジで無理ですけど、それでも俺はお嬢様の“羽鳥さん”のことが大好きです。」
カウンターの向こう側に立っている、“中華料理屋 安部”のティーシャツを着ている幸治君が顔を真っ赤にしながら必死に伝えてくる・・・。
「俺は、“羽鳥さん”のことがマジで・・・めちゃくちゃ、もう・・・死ぬほど大好きです。」
“羽鳥さん”を真っ直ぐと見て、そう吐き出してくれた。
それに号泣しながら何度も何度も頷く。
ずっと昔から聞きたかった言葉をやっと聞くことが出来たのだと感じる。
そしてそれ以上に、“中華料理屋 安部”がずっと“羽鳥さん”に向かって吐き出したかった言葉なのだと分かる。
“幸治君”のことを思うとこんなにも涙が流れた・・・。
“中華料理屋 安部”だった幸治君のことを思うとこんなにも“嬉しい”と思って・・・
こんなにも“幸せ”だと、私が思った。
幸治君から貰ったタオルハンカチで涙も鼻水も拭い、きっとお化粧が落ちて汚くなってしまっている顔のまま幸治君に笑い掛ける。
「醤油ラーメンを2つ。」
「2つ・・・?」
「一緒に食べよう?
今日の幸治君は“中華料理屋 安部”だけど、お客さんは私しかいないからいいでしょ?
私、幸治君と一緒に美味しい醤油ラーメンが食べたい。
私・・・“いけないコト”がしたいの。」
少し驚いた顔をした幸治君は嬉しそうに笑った。
「俺にラーメン2杯、ご馳走させてくれます?」
「うん・・・っっ」
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