【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
269 / 585
18

18-14

しおりを挟む
お父さんの背中を3人で見送った後、佐伯さんが3人で食べる用にとスイーツを取りに行ってくれた。



途中で色んな社員達に話し掛けられている佐伯さんのことを微笑みながら眺めていると・・・



「佐伯さんって外面良すぎません?
あの性格の悪さを知っている私からするとムカつくんですけど、この怒りをどこにぶつけたらいいですか?」



私に“普通”に愚痴を言ってきた可愛い後輩の1人である福富さんには思わず吹き出しそうになり、慌てて口元を抑えた。



「私にぶつけて大丈夫だよ?」



「羽鳥さんが1ミリでも嫌な女なら羽鳥さんにぶつけまくりますけど、羽鳥さんって本当に素晴らしい人物過ぎてぶつけられませんって。」



「本当の私は素晴らしい人物でも何でもないけどね。
だって、若くて可愛い福富さんに嫉妬してるんだよ?」



「そんなことを言って私を慰めてくれる所も素晴らしいです。」



「慰めじゃないよ~。
福富さんに本当に嫉妬しちゃってるの、私。
凄く嫌な女だよ・・・。」



「羽鳥さんに本当に嫉妬されているとしたら、羽鳥さんに嫉妬されてる私って凄くないですか?
それなら本当に羽鳥さんって素晴らしいんですけど。」



その前向きな解釈には吹き出すのを抑えられずに大きく笑った。



「嫌だな~・・・。
福富さんのそういう所を好きになっちゃう人ばっかりなんだろうな~・・・。
さっきなんて私のお父さんに普通に悪口言ってて、感動しちゃうくらいだったもん。」



「あ、すみませんでした!!
羽鳥さんの大好きなお父さんの悪口言っちゃいましたよね!!」



「“過干渉で苦しいな~”と昔から思ってることも事実だから、福富さんが言ってくれてスッキリした気持ちにもなったの、ありがとう。」



「やっぱり過干渉ですよね!?
私なら本当にグレてますって!!」



「うん、過干渉だよね・・・。
もう少し器用に干渉してくれれば良いんだけど、そういうのは出来ないお父さんで。
若い男の子と一緒に住んでるなんてバレたら大変なことになるだろうな・・・。」



「分家の女としてダメなんですか?」



「分家の女として今はダメではないだろうけどお父さん個人の許容範囲は・・・それこそ、“余裕”で超えてる。」



「“恥ずかしい娘”になっちゃいます?」



「31歳の女が同棲してるっていう話が一般的に考えて“恥ずかしい”と判断されることではないと思うから、それは“恥ずかしい娘”にはならないと思いたい。」



「なら別に良いんじゃないですか?
お父さん個人の許容範囲まで考えてたら本当に何も出来なくないですか?」



「うん、何も出来ないね。
私は1人じゃ何も出来なかった・・・。
分家の女として綺麗で正しくいる必要がなくなったのに、何も出来なかったの・・・。」



小さく笑いながら甘いお酒を一口ゆっくりと口に含んだ。



“何か”を飲み込む為ではなく、お酒を飲みたいから飲み込んだ。



「私は“いけないコト”がしたい。
分家の女としての務めは果たし、お父さんにとって“恥ずかしい娘”にはならない程度で・・・私、“いけないコト”がしたいんだ。」



「めっちゃ良いじゃないですか!!
“いけないコト”しまくった方が良いですよ!!
私も出来ることがあれば何でも協力しますから!!」



「何?何の協力?」



スイーツをお皿にいっぱいのせた佐伯さんが戻って来た。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...