【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

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夕方



キッチンで料理をしていると家の電話が鳴り見てみると、“非通知”と表示されている。



「幸治君かな・・・。」



私達は両想いになったけれど、幸治君は今も電話番号が表示されない非通知で家の電話に掛けてくる。



彼氏と彼女の関係でも婚約者の関係でもないような私達。



「ごめんね・・・。」



今の幸治君を“彼氏”にすることも“婚約者”にすることも出来ないお嬢様の私。
そんな私と“いけない関係”を続けてくれ、私と一緒にいる未来の為に頑張ってくれている幸治君。



「ありがとう・・・。」



“非通知”と表示されている番号を指先で少しだけ触れた後、電話機を取った。



「もしもし。」



『俺です。』



「うん、お疲れ様。」



『すみません、もう少し掛かりそうで・・・。』



“分かった”
そう答えようとした時、電話の向こう側から聞こえてきた。



『幸治く～ん・・・あ、電話？』



女の人の声が聞こえてきて、それには驚き固まった。



『はい、訪問中にすみません。
同棲してる彼女です。』



私も佐伯さんには幸治君のことを“彼氏”のように話しているけれど、幸治君もその女の人にハッキリとそう言った声が聞こえてきた。



『え・・・彼女出来たの！！？』



『はい、この前。』



『嘘でしょ！！？
ずっと仕事一筋みたいな感じだったじゃん！！』



『そうですね、この前まで。』



『何それ、酷い・・・！！
私のことを弄んでたの！！？』



『僕がですか？』



『だって結構前に幸治君言ってたじゃん！！
7歳年上の女の人が好きだって！！
私幸治君より7歳年上なんだよ！！？』



『あ～・・・そうですね。
彼女が俺より7歳年上で。
好きな人のことを聞かれた時、その人に片想いをしてた昔の話をしたので・・・。』



『酷い・・・！！
幸治君って彼女がいたことがないって言うから、今日は私から言ってあげようと思ってたのに・・・！！』



『そうだったんですか・・・。』



『最低・・・！！もう、最悪・・・！！
部長に電話する！！
部長も幸治君が私のことを好きだと思って、クリスマスの今日出勤することを了承してくれたのに・・・！！』



『・・・今月は今日しか時間が取れないっていう話でしたよね？』



『そんなの嘘だよ・・・！！
クリスマスに幸治君に会う為の嘘だったの・・・！！』