【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

Bu-cha

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この胸がギュッと苦しくて、重い瞼を無理矢理こじ開けた。



“俺が高校生で本当にすみません・・・。”



幸治君のその言葉が頭の中で何度も繰り返されている中、私を強く抱き締めながら寝ている幸治君の顔を暗い中で見詰める。



まだまだ若いけれどちゃんと大人の男の人になっている幸治君の顔を。



それを見て大きな溜め息を吐き、ブタネコ之助を強く抱き締めながら幸治君の胸の中にもっと入った。



「ん・・・・」



幸治君が小さな声を出し、私の頭を優しく撫でてくれた。
幸治君の大きくて温かいその手を感じ少しだけ安心出来た。



自然と笑顔になっていると幸治君の手は私の頭から離れ・・・



その手は私が抱き締めているブタネコ之助に伸びてきて、ブタネコ之助の頭を優しく撫でた。



幸治君のその手を見てなんだか泣きそうになり、言葉を吐き出した。



「幸治君がうちの財閥の為に動ける人になれた時、私が妊娠出来ない年齢になってたらどうしよう・・・。」



幸治君の顔を見ることなく、ブタネコ之助の頭に置いている幸治君の手を見ながら続ける。



「私が7歳も8歳も年上のオバサンでごめんね・・・?」



昔、30歳の女の人を“オバサン”と言っていた幸治君にそう言った。
幸治君の妹の友達に、その子の従姉の説明をする時に言っていた“オバサン”という言葉だったけれど・・・。



凄く“苦しい”と思いながら幸治君に抱き付くと、幸治君が私の背中に手を回し優しく撫でてくれた。



「俺よりも7歳も8歳も年上ですけど、一美さんのことをオバサンだなんて思ったことないですから・・・。
一美さん、俺より年下だし。」



「・・・え?どういうこと?」



「7歳も8歳も年下の俺より嘘つきでワガママでエゴを押し付けてくる感じ、俺よりも年下だから。」



「え~・・・酷い~・・・。」



「いや、褒めてる褒めてる。
そういう感じすげー可愛いから。
普段はしっかりしてそうなお姉さんからのそのギャップもすげー好き。」



幸治君が楽しそうに笑い、私のことを強く抱き締めてくれた。



「俺、死ぬほど頑張るから。
まだ23だから死ぬほど頑張っても死なないだろうし。
よかった、俺が若くて。」



そう言って、私とブタネコ之助ごと抱き締めてくれる。



「死ぬほど速く走るから。
一美さんとブタネコ太郎、それとブタネコ太郎の弟か妹がいる未来まで、死ぬほど速く走るから。
でも・・・」



幸治君が言葉を切った後に私の唇にチュッ─────...とキスをした。



「子どもがブタネコ太郎だけの未来だったとしても、俺は幸せだよ。
俺の幸せを一美さんが勝手に考えないでくださいよ?
一美さんってすぐにそれをするから。」



「はい・・・。」



素直に返事をして、幸治君の胸にもっと顔を埋めた。



「私も幸治君とブタネコ之助の3人の未来だったとしても、凄く幸せ。」



「でも早く一美さんと避妊しないでセックスしたい。」



「・・・ねぇ、急に下ネタ~。
せっかく良い話だったのに。」



「すみません。」



2人で顔を見合せながら笑い合い、幸治君がチュッ────...とまたキスをしてくれた。



「もう少し寝た方がいいですよ?」



「うん・・・。
ありがとう、幸治君・・・。」



重く感じていた胸はすっかりと軽くなり、温かくなった。



幸治君が抱き締めてくれるとこんなにも温かくなる。



こんなにも安心する。



「幸治君、大好き・・・。」



自然と出てきた想いをそのまま言葉にし、瞼をもう1度閉じた。



チュッ────...と幸治君がまた私の唇にキスをしてくれたのを感じ・・・



「俺の方が一美さんのこと好き。
マジで頭おかしくなるんじゃないかっていうくらい好きなんだけど。」



そんな返事には瞼を閉じながら笑った。
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