【R18・完】お嬢様は“いけないコト”がしたい

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なんでか泣きそうになりながら頷き、幸治君に手を引かれながら歩き続けた。



咲希ちゃんの裸、福富さんと佐伯さんの姿、この前幸治君に連れて行って貰ったお店にいた若くて可愛い女の子達、さっきラーメン屋さんで会った若くてお洒落な女の子。



なんでか分からないけれど、その女の子達の姿を思い浮かべて泣きそうになった。



“苦しい”と思いながら、“やっぱりみんな若いな”と、そう思った。



スーツ姿の幸治君の横顔をチラッと見上げて・・・



“やっぱり若いな”と思った。



「一美さん自身も“幸せになること”を考えてくださいよ？」



私の手を引きながら幸治君が急にそんなことを言って。
私のことを見るでもなく、真っ直ぐとどこかを見ながらそう言ってきて・・・。



「財閥の分家の女の人としての生き方を一美さんが続けられるように、俺頑張りますから。
財閥の分家の女の人の旦那さんにふさわしい男にちゃんとなりますから。
一美さんが素直に“好き”だって言える男になりますから。」



幸治君が真っ直ぐと前を向き続けながらそう言って・・・。



「俺は一美さんよりも7歳も8歳も年下ですけど、一美さんの為に自分に出来ることをすることが俺の“幸せ”ですから。
勝手に俺の“幸せ”の心配はしないでくださいよ？」



そう言われ・・・



そう言われてしまい、なんでか分からないけれど、泣いた。



「昔から一美さんから押し付けられるその嘘とワガママとエゴは、受け入れちゃってましたけどすげー嫌だったので。
受け入れちゃってましたけどね、一美さんのことが好きすぎて。
・・・って、何泣き？」



「分からないよ～・・・っ」



立ち止まった幸治君に釣られるように私も立ち止まり、それから鞄からハンカチを出して涙を拭いた。



幸治君から31歳の誕生日プレゼントに貰ったタオルハンカチで。
さっきも膝の上に広げていたタオルハンカチで。



「31にもなって相変わらず泣き虫。」



幸治君が楽しそうに笑いながらそう言って、私の腰に手を回しゆっくりと歩き始めた。



高いヒールの靴で何処までも歩いていけるはずだけど、幸治君に守られるように歩くとこんなにも安心した。



号泣するくらいに、安心した。