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私の言葉に驚いている幸治君の顔に小さく笑いながら吐き出し続ける。
「福富さんっていう会社の後輩がいて、その子が“中華料理屋 安部”がある地域出身の子で。
入社後しばらくした時にそれが分かって、“中華料理屋 安部”のことを聞いたら幸治君と同級生だって言ってて。」
「うん・・・福富・・・。
俺の中学の時の同級生で・・・一美さんの財閥の会社で働いてるの?」
「うん、ホールディングスの経理部の後輩。」
「そうなんだ・・・。」
幸治君がなんでか難しい顔をして。
「まあ、あの人が判断してるだろうし、大丈夫か・・・。」
「何が?」
「いや、こっちの事務所の話。
それより・・・」
幸治君が私のことを意地悪な顔で見てきた。
「“ラーメン 安部”に俺がいること分かってたんだ?」
そう聞かれてしまい、恥ずかしい気持ちもあるけれど吐き出し続ける。
幸治君にはどんな姿も見せられるから吐き出し続ける。
「“中華料理屋 安部”は閉店して、あの街で“ラーメン 安部”を開いたのは福富さんから聞いてた。
てっきり幸治君が開いたお店なのかと思ってたけど・・・。」
「俺に会いに来てくれたんだ?」
「だって、やりたいことなんて1つしかなかった・・・。
お父さんからやりたいことをやって構わないって改めて言われたけど、私がやりたいことは1つしかない・・・。
昔も今も“幸治君に会いたい”しかない・・・。」
「うん。
あの日、たまたま店にいてよかった。」
「よくないよ・・・。
全然よくないよ・・・。」
涙も鼻水も嗚咽も出したまま吐き出していく。
「幸治君にこんなコトをさせてる・・・。
幸治君にはちゃんと幸せになって貰いたいと思って2年前の“あの日”、土地建物の売買の話を持って行ったのに。
なのにこんな“いけないコト”をしちゃってる・・・。
ちゃんと解放するつもりでいるけど、こんな“いけないコト”をしちゃってる・・・。」
「俺にはどんなワガママもエゴも押し付けていいよ。
一美さんのソレ、昔から嫌いじゃないから。」
「・・・好きではないんだ?」
「好きではねーだろ、俺ドMとかじゃねーし。」
「そうなの・・・?
いつもピュッてなる時にそんな感じだよ?」
「・・・うるさい。」
怒った顔の幸治君を見て笑っていると、幸治君も笑い始めた。
そして両手を伸ばし私の身体をゆっくりと抱き締め、自分の身体に引き寄せてきた。
「“中華料理屋 安部”だけじゃなくて、“普通の幸治君”も好きだよね?」
そう聞かれ・・・
それにはやっぱり何も言えない。
「一美さんから“好き”だって言われたら俺頑張るよ?
まだ23で若いし、俺また死ぬほど頑張れるよ?
今はあの人の事務所で働く普通の“公認会計士 安部”だし、あの人は他の財閥の顧問もしてるからあの事務所にいる限り一美さんの財閥を守って財閥の為に稼ぐことは出来ないけど、あと数年待っててよ。
今度は一美さんが俺のことを待っててよ。」
「福富さんっていう会社の後輩がいて、その子が“中華料理屋 安部”がある地域出身の子で。
入社後しばらくした時にそれが分かって、“中華料理屋 安部”のことを聞いたら幸治君と同級生だって言ってて。」
「うん・・・福富・・・。
俺の中学の時の同級生で・・・一美さんの財閥の会社で働いてるの?」
「うん、ホールディングスの経理部の後輩。」
「そうなんだ・・・。」
幸治君がなんでか難しい顔をして。
「まあ、あの人が判断してるだろうし、大丈夫か・・・。」
「何が?」
「いや、こっちの事務所の話。
それより・・・」
幸治君が私のことを意地悪な顔で見てきた。
「“ラーメン 安部”に俺がいること分かってたんだ?」
そう聞かれてしまい、恥ずかしい気持ちもあるけれど吐き出し続ける。
幸治君にはどんな姿も見せられるから吐き出し続ける。
「“中華料理屋 安部”は閉店して、あの街で“ラーメン 安部”を開いたのは福富さんから聞いてた。
てっきり幸治君が開いたお店なのかと思ってたけど・・・。」
「俺に会いに来てくれたんだ?」
「だって、やりたいことなんて1つしかなかった・・・。
お父さんからやりたいことをやって構わないって改めて言われたけど、私がやりたいことは1つしかない・・・。
昔も今も“幸治君に会いたい”しかない・・・。」
「うん。
あの日、たまたま店にいてよかった。」
「よくないよ・・・。
全然よくないよ・・・。」
涙も鼻水も嗚咽も出したまま吐き出していく。
「幸治君にこんなコトをさせてる・・・。
幸治君にはちゃんと幸せになって貰いたいと思って2年前の“あの日”、土地建物の売買の話を持って行ったのに。
なのにこんな“いけないコト”をしちゃってる・・・。
ちゃんと解放するつもりでいるけど、こんな“いけないコト”をしちゃってる・・・。」
「俺にはどんなワガママもエゴも押し付けていいよ。
一美さんのソレ、昔から嫌いじゃないから。」
「・・・好きではないんだ?」
「好きではねーだろ、俺ドMとかじゃねーし。」
「そうなの・・・?
いつもピュッてなる時にそんな感じだよ?」
「・・・うるさい。」
怒った顔の幸治君を見て笑っていると、幸治君も笑い始めた。
そして両手を伸ばし私の身体をゆっくりと抱き締め、自分の身体に引き寄せてきた。
「“中華料理屋 安部”だけじゃなくて、“普通の幸治君”も好きだよね?」
そう聞かれ・・・
それにはやっぱり何も言えない。
「一美さんから“好き”だって言われたら俺頑張るよ?
まだ23で若いし、俺また死ぬほど頑張れるよ?
今はあの人の事務所で働く普通の“公認会計士 安部”だし、あの人は他の財閥の顧問もしてるからあの事務所にいる限り一美さんの財閥を守って財閥の為に稼ぐことは出来ないけど、あと数年待っててよ。
今度は一美さんが俺のことを待っててよ。」
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