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幸治君と一緒に色んなお店を回った。
お店に入ってみては色んな洋服を身体に合わせてみたり、試着をしてみたり。
必要のない帽子を被ってみたり、鞄を持ってみたり、サングラスまで掛けてみたり。
お店の中に男性用の物があったら幸治君にも同じことをしてみたり。
洋服は一向に決まらなかったけれど凄く凄く楽しかった。
ランチを食べることも忘れ、9月に入ったばかりの夕方の空を見上げながら幸治君と並び、冷たくて甘い飲み物をストローで飲んだ。
言葉や気持ちを飲み込む為に飲んだのではなく、凄く美味しかったから沢山飲んだ。
お店のテーブルやテラス席に座りながらではなく、テイクアウトで買ったプラスチックのカップに入った飲み物を幸治君と2人で並び、歩きながら飲んでいく。
「こんなにデザートみたいな飲み物を初めて飲んだ!!
凄く美味しいね~!!」
「そうですか?
俺は普通のアイスコーヒーにすればよかった。」
「嘘でしょ!?
アイスコーヒーよりも全然美味しいから!!
私もう飲み終わっちゃったもん!!
もっと大きなサイズにすればよかったし、次はもう1つの方も季節の期間中に飲んでみたいな~・・・。」
残念な気持ちにもなりながら、楽しみな気持ちにもなりながら、空になったカップを見下ろす。
そしたら・・・
「俺の残りでよければ飲みます?」
と・・・。
幸治君は半分以上残っているカップを私に差し出してきた。
季節限定の2種類の飲み物、どちらにするか最後の最後まで悩んでいた私が選んだ1つ、そっちではなくもう1つの方を注文した幸治君の飲み物を。
「いいの・・・?」
幸治君から向けられた飲み物のカップ、そこにさされているストローの先を見詰めながら聞いた。
幸治君が口をつけていたストローの先。
そこを見ていたらなんでかドキドキとして・・・。
「あ、俺は6人きょうだいなのでこういうのは気になりませんけど、俺の飲み掛けで大丈夫ですか?
・・・これも“いけないコト”?」
「ううん・・・。
やったことはないけど“いけないコト”ではないのかな。
食べ掛けを渡そうとも食べ掛けを貰おうとも思ったことはないけど。」
幸治君が口をつけていたストローの先を眺めながら続ける。
「でも・・・“いけないコト”なのかな・・・。
だって凄くドキドキする・・・。」
私が呟くと、幸治君が私の両手で握っていた空のカップをスッと抜き取った。
そして私の両手に幸治君の飲み掛けのカップを渡してきて。
「そんなにドキドキしているなら、“いけないコト”ですね。」
その言葉に小さく頷き、幸治君がくれた飲み掛けのカップにささるストローの先を見下ろす。
そして・・・
苦しいくらいドキドキとした胸を感じながら・・・
ストローに唇をつけ、ゆっくりと一口だけ口に含んだ。
「こっちの味どうですか?」
「凄く甘い・・・。」
「だよな、めっっっちゃ甘くて俺には無理だった!!」
幸治君は楽しそうに笑っていて、そんな幸治君の横顔を見上げながらもう一口だけ口に含んだ。
“何か”を吐き出しそうになるのを感じながら。
味なんて分からないくらいに、“ただ凄く甘い”と思いながら・・・。
お店に入ってみては色んな洋服を身体に合わせてみたり、試着をしてみたり。
必要のない帽子を被ってみたり、鞄を持ってみたり、サングラスまで掛けてみたり。
お店の中に男性用の物があったら幸治君にも同じことをしてみたり。
洋服は一向に決まらなかったけれど凄く凄く楽しかった。
ランチを食べることも忘れ、9月に入ったばかりの夕方の空を見上げながら幸治君と並び、冷たくて甘い飲み物をストローで飲んだ。
言葉や気持ちを飲み込む為に飲んだのではなく、凄く美味しかったから沢山飲んだ。
お店のテーブルやテラス席に座りながらではなく、テイクアウトで買ったプラスチックのカップに入った飲み物を幸治君と2人で並び、歩きながら飲んでいく。
「こんなにデザートみたいな飲み物を初めて飲んだ!!
凄く美味しいね~!!」
「そうですか?
俺は普通のアイスコーヒーにすればよかった。」
「嘘でしょ!?
アイスコーヒーよりも全然美味しいから!!
私もう飲み終わっちゃったもん!!
もっと大きなサイズにすればよかったし、次はもう1つの方も季節の期間中に飲んでみたいな~・・・。」
残念な気持ちにもなりながら、楽しみな気持ちにもなりながら、空になったカップを見下ろす。
そしたら・・・
「俺の残りでよければ飲みます?」
と・・・。
幸治君は半分以上残っているカップを私に差し出してきた。
季節限定の2種類の飲み物、どちらにするか最後の最後まで悩んでいた私が選んだ1つ、そっちではなくもう1つの方を注文した幸治君の飲み物を。
「いいの・・・?」
幸治君から向けられた飲み物のカップ、そこにさされているストローの先を見詰めながら聞いた。
幸治君が口をつけていたストローの先。
そこを見ていたらなんでかドキドキとして・・・。
「あ、俺は6人きょうだいなのでこういうのは気になりませんけど、俺の飲み掛けで大丈夫ですか?
・・・これも“いけないコト”?」
「ううん・・・。
やったことはないけど“いけないコト”ではないのかな。
食べ掛けを渡そうとも食べ掛けを貰おうとも思ったことはないけど。」
幸治君が口をつけていたストローの先を眺めながら続ける。
「でも・・・“いけないコト”なのかな・・・。
だって凄くドキドキする・・・。」
私が呟くと、幸治君が私の両手で握っていた空のカップをスッと抜き取った。
そして私の両手に幸治君の飲み掛けのカップを渡してきて。
「そんなにドキドキしているなら、“いけないコト”ですね。」
その言葉に小さく頷き、幸治君がくれた飲み掛けのカップにささるストローの先を見下ろす。
そして・・・
苦しいくらいドキドキとした胸を感じながら・・・
ストローに唇をつけ、ゆっくりと一口だけ口に含んだ。
「こっちの味どうですか?」
「凄く甘い・・・。」
「だよな、めっっっちゃ甘くて俺には無理だった!!」
幸治君は楽しそうに笑っていて、そんな幸治君の横顔を見上げながらもう一口だけ口に含んだ。
“何か”を吐き出しそうになるのを感じながら。
味なんて分からないくらいに、“ただ凄く甘い”と思いながら・・・。
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※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
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