100 / 266
9
9-10
しおりを挟む
タクシー乗り場まで早川と指を絡ませながら歩く。
ゆっくり歩いたが、もうタクシーの近くまで来てしまった。
早川が絡まっていた指をほどこうとする。
ダメだ・・・
もう離せない・・・
もう離さねーよ・・・
ほどかれそうになる指に力を入れた。
「今週末なんか予定ある?
土曜日の夜か日曜日の午後以降。」
俺は部活の日程を思い出しながら聞く。
「えっと・・・土曜日は夜にバイトがあって。」
「日曜日は?」
「特に予定はないですけど・・・。」
俺は、今までの経験により、イケると確信してしまい、興奮で頭がおかしくなりそうだった。
俺を不思議そうに見上げながら黙って手を繋がれている早川を見下ろす。
「どっか遊びに行こう。
また連絡するから他に何も予定入れんなよ。」
「え・・・?」
何か言われる前に、俺は早川にお金を握らせ、タクシーの運転手に「お願いします」と声を掛けた。
「じゃあ、また日曜日に。
連絡するからな?」
そう言って、早川にタクシーに乗るよう誘導する。
ゆっくり発車し、去っていくタクシーを見送る。
あんなに“良い教師でいよう”と思っていた決意は、早川との再会で吹き飛んだ。
欲しい・・・。
どうしても、早川が欲しい・・・。
ゆっくり歩いたが、もうタクシーの近くまで来てしまった。
早川が絡まっていた指をほどこうとする。
ダメだ・・・
もう離せない・・・
もう離さねーよ・・・
ほどかれそうになる指に力を入れた。
「今週末なんか予定ある?
土曜日の夜か日曜日の午後以降。」
俺は部活の日程を思い出しながら聞く。
「えっと・・・土曜日は夜にバイトがあって。」
「日曜日は?」
「特に予定はないですけど・・・。」
俺は、今までの経験により、イケると確信してしまい、興奮で頭がおかしくなりそうだった。
俺を不思議そうに見上げながら黙って手を繋がれている早川を見下ろす。
「どっか遊びに行こう。
また連絡するから他に何も予定入れんなよ。」
「え・・・?」
何か言われる前に、俺は早川にお金を握らせ、タクシーの運転手に「お願いします」と声を掛けた。
「じゃあ、また日曜日に。
連絡するからな?」
そう言って、早川にタクシーに乗るよう誘導する。
ゆっくり発車し、去っていくタクシーを見送る。
あんなに“良い教師でいよう”と思っていた決意は、早川との再会で吹き飛んだ。
欲しい・・・。
どうしても、早川が欲しい・・・。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ありあまるほどの、幸せを
十時(如月皐)
BL
アシェルはオルシア大国に並ぶバーチェラ王国の侯爵令息で、フィアナ王妃の兄だ。しかし三男であるため爵位もなく、事故で足の自由を失った自分を社交界がすべてと言っても過言ではない貴族社会で求める者もいないだろうと、早々に退職を決意して田舎でのんびり過ごすことを夢見ていた。
しかし、そんなアシェルを凱旋した精鋭部隊の連隊長が褒美として欲しいと式典で言い出して……。
静かに諦めたアシェルと、にこやかに逃がす気の無いルイとの、静かな物語が幕を開ける。
「望んだものはただ、ひとつ」に出てきたバーチェラ王国フィアナ王妃の兄のお話です。
このお話単体でも全然読めると思います!
兄弟がイケメンな件について。
どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。
「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。
イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。
【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。
西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。
私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。
それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」
と宣言されるなんて・・・
【完結】似て非なる双子の結婚
野村にれ
恋愛
ウェーブ王国のグラーフ伯爵家のメルベールとユーリ、トスター侯爵家のキリアムとオーランド兄弟は共に双子だった。メルベールとユーリは一卵性で、キリアムとオーランドは二卵性で、兄弟という程度に似ていた。
隣り合った領地で、伯爵家と侯爵家爵位ということもあり、親同士も仲が良かった。幼い頃から、親たちはよく集まっては、双子同士が結婚すれば面白い、どちらが継いでもいいななどと、集まっては話していた。
そして、図らずも両家の願いは叶い、メルベールとキリアムは婚約をした。
ユーリもオーランドとの婚約を迫られるが、二組の双子は幸せになれるのだろうか。
【第二章・完】魔女の生き残り大作戦~女神の台本は屑籠へどうぞ~
茄珠みしろ
恋愛
目覚めたら小説の中ですぐに自殺してしまい退場する令嬢に転生していたルディア(5歳)。
妹に婚約者を奪われる経験なんて一度で十分! 今世は全力回避させていただくため、婚約自体拒否!
諸悪の根源である父親とも縁を切りフラグを折るどころか立たせない!
けれども裏で暗躍するアンポンタンが余計なことをするせいで面倒なことに?
せっかく諸悪の根源を家から追い出したのに、どこまでもチラチラと気配を感じてしまう。
ならばこちらも徹底的に————無視!
虚弱な体質のせいでなかなか思うように動けないルディアは、神官の力を借りて体を治すために神聖国に向かう。
そこでの出会いはルディアのその後の人生を大きく左右するもので、無自覚に原作小説のヒロインの邪魔をしているが、気にしない。
だって自分の人生が大切だから!
神聖国で魔法を習得したルディアは本当の父親の招待を受けて別の島に旅立つ。
異母兄たちの洗礼を受けたルディアとルディアを溺愛する異父兄のフィディス。
末の妹にメロメロになってしまう異母兄たちが突然腕試しを始めた目的はいったい何なのか?
唖然とするルディアに知らされた目的、それは————ルディアの専属騎士になる事。
強力なライバル(?)登場に焦りを感じるフィディスだが、本当のライバル(?)は地上の魔族の国にこそいた。
夢の中でだけの邂逅だった念願の相手、ノクスとの出会いに胸を膨らませ神聖国に戻ったルディアを待っていたものは、アンポンタンの計略!?
いい加減しつこい。そう思っていれば大神官長から教えられた衝撃の真実。
ふざけんな、女神! その台本は屑籠行決定だ!
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【完結】婚約解消は私から〜愛する方と幸せになってください〜
乙
恋愛
幼い頃からの婚約者ウィリアム。
政略結婚の両親の仲は冷えていて
ウィリアムとの時間だけが
フィスティアにはとても温かった。
人見知りなフィスティアは
ウィリアムに相応しくあろうと努力するも
一年先に入学したウィリアムには
他の女性との噂が......。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる