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タクシー乗り場まで早川と指を絡ませながら歩く。
ゆっくり歩いたが、もうタクシーの近くまで来てしまった。




早川が絡まっていた指をほどこうとする。




ダメだ・・・



もう離せない・・・




もう離さねーよ・・・




ほどかれそうになる指に力を入れた。




「今週末なんか予定ある?
土曜日の夜か日曜日の午後以降。」




俺は部活の日程を思い出しながら聞く。




「えっと・・・土曜日は夜にバイトがあって。」



「日曜日は?」



「特に予定はないですけど・・・。」




俺は、今までの経験により、イケると確信してしまい、興奮で頭がおかしくなりそうだった。




俺を不思議そうに見上げながら黙って手を繋がれている早川を見下ろす。





「どっか遊びに行こう。
また連絡するから他に何も予定入れんなよ。」



「え・・・?」




何か言われる前に、俺は早川にお金を握らせ、タクシーの運転手に「お願いします」と声を掛けた。




「じゃあ、また日曜日に。
連絡するからな?」




そう言って、早川にタクシーに乗るよう誘導する。





ゆっくり発車し、去っていくタクシーを見送る。




あんなに“良い教師でいよう”と思っていた決意は、早川との再会で吹き飛んだ。





欲しい・・・。




どうしても、早川が欲しい・・・。
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