91 / 266
9
9-1
しおりを挟む
「あ!創一、こっちこっち!」
店に着くと、学の隣に綾瀬が座って小さく会釈していた。
「この前のOG会以来だな?」
「はい・・・この前、言わなくてごめんなさい。
直前になってやっぱり恥ずかしくなって。
学さんから、創さんが凄く怒ってたって聞いて・・・」
しょぼんとしている綾瀬に申し訳なる。
「まぁ・・・な。一応元顧問だし。」
とりあえず、話を合わせておく。
そんな始まりだった飲み会だったが、時間が経つにつれて楽しい会になった。
「そういえば、この前女バスの子の紹介で友里に紹介した男子さ!」
綾瀬が急にそんなことを話だし、俺は一気に緊張する。
「友里が眠くなってきたって言ったらブラックコーヒー渡しててさ?
なんか面白い感じで友里に断られてて、すごく可哀想だけどなんか面白くて!
友里、あんな美人なのに相当甘くしたカフェオレしか飲めないの!」
綾瀬が笑いながらスマホを弄った。
「あと、この前みんなで運動しに言ったんですよね、ここ!」
綾瀬がスマホを渡し、写真を見せてくれた。
そこには、スポーツ施設に部活のメンバーで遊びに行き撮った写真が沢山あった。
早川はいつもの笑顔で写真に写っていて、思わずつられて俺も笑顔になる。
「早川と同じ学部なんだっけ?
あいつ元気?さすがに彼氏出来たか?」
綾瀬から聞く早川の話は、あいつの姿が目に浮かぶようなエピソードばかりだった。
まるで、俺もその場に一緒にいるような変な感覚になる。
会いたい・・・
会いたい・・・
その想いは、時間が経ち忘れるどころか益々強くなる。
俺は定期的に学と綾瀬に会い、バレないようさりげなく綾瀬から早川の話を聞き出していた。
もう二度と会うことはないと分かっている。
俺のこんな厭らしい想いなんて、早川に知られるわけにいかないから、その方がいい。
良い教師でい続けることが、俺に出来る唯一のことだった。
店に着くと、学の隣に綾瀬が座って小さく会釈していた。
「この前のOG会以来だな?」
「はい・・・この前、言わなくてごめんなさい。
直前になってやっぱり恥ずかしくなって。
学さんから、創さんが凄く怒ってたって聞いて・・・」
しょぼんとしている綾瀬に申し訳なる。
「まぁ・・・な。一応元顧問だし。」
とりあえず、話を合わせておく。
そんな始まりだった飲み会だったが、時間が経つにつれて楽しい会になった。
「そういえば、この前女バスの子の紹介で友里に紹介した男子さ!」
綾瀬が急にそんなことを話だし、俺は一気に緊張する。
「友里が眠くなってきたって言ったらブラックコーヒー渡しててさ?
なんか面白い感じで友里に断られてて、すごく可哀想だけどなんか面白くて!
友里、あんな美人なのに相当甘くしたカフェオレしか飲めないの!」
綾瀬が笑いながらスマホを弄った。
「あと、この前みんなで運動しに言ったんですよね、ここ!」
綾瀬がスマホを渡し、写真を見せてくれた。
そこには、スポーツ施設に部活のメンバーで遊びに行き撮った写真が沢山あった。
早川はいつもの笑顔で写真に写っていて、思わずつられて俺も笑顔になる。
「早川と同じ学部なんだっけ?
あいつ元気?さすがに彼氏出来たか?」
綾瀬から聞く早川の話は、あいつの姿が目に浮かぶようなエピソードばかりだった。
まるで、俺もその場に一緒にいるような変な感覚になる。
会いたい・・・
会いたい・・・
その想いは、時間が経ち忘れるどころか益々強くなる。
俺は定期的に学と綾瀬に会い、バレないようさりげなく綾瀬から早川の話を聞き出していた。
もう二度と会うことはないと分かっている。
俺のこんな厭らしい想いなんて、早川に知られるわけにいかないから、その方がいい。
良い教師でい続けることが、俺に出来る唯一のことだった。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
悪女の指南〜媚びるのをやめたら周囲の態度が変わりました
結城芙由奈
恋愛
【何故我慢しなければならないのかしら?】
20歳の子爵家令嬢オリビエは母親の死と引き換えに生まれてきた。そのため父からは疎まれ、実の兄から憎まれている。義母からは無視され、異母妹からは馬鹿にされる日々。頼みの綱である婚約者も冷たい態度を取り、異母妹と惹かれ合っている。オリビエは少しでも受け入れてもらえるように媚を売っていたそんなある日悪女として名高い侯爵令嬢とふとしたことで知りあう。交流を深めていくうちに侯爵令嬢から諭され、自分の置かれた環境に疑問を抱くようになる。そこでオリビエは媚びるのをやめることにした。するとに周囲の環境が変化しはじめ――
※他サイトでも投稿中
怒れるおせっかい奥様
asamurasaki
恋愛
ベレッタ・サウスカールトンは出産時に前世の記憶を思い出した。
可愛い男の子を産んだその瞬間にベレッタは前世の記憶が怒涛のことく甦った。
日本人ので三人の子持ちで孫もいた60代女性だった記憶だ。
そして今までのベレッタの人生も一緒に思い出した。
コローラル子爵家第一女として生まれたけど、実の母はベレッタが4歳の時に急な病で亡くなった。
そして母の喪が明けてすぐに父が愛人とその子を連れて帰ってきた。
それからベレッタは継母と同い年の義妹に虐げられてきた。
父も一緒になって虐げてくるクズ。
そしてベレッタは18歳でこの国の貴族なら通うことが義務付けられてるアカデミーを卒業してすぐに父の持ってきた縁談で結婚して厄介払いされた。
相手はフィンレル・サウスカールトン侯爵22歳。
子爵令嬢か侯爵と結婚なんて…恵まれているはずがない!
あのクズが持ってきた縁談だ、資金援助を条件に訳あり侯爵に嫁がされた。
そのベレッタは結婚してからも侯爵家で夫には見向きもされず、使用人には冷遇されている。
白い結婚でなかったのは侯爵がどうしても後継ぎを必要としていたからだ。
良かったのか悪かったのか、初夜のたったの一度でベレッタは妊娠して子を生んだ。
前世60代だった私が転生して19歳の少女になった訳よね?
ゲームの世界に転生ってやつかしら?でも私の20代後半の娘は恋愛ゲームやそういう異世界転生とかの小説が好きで私によく話していたけど、私はあまり知らないから娘が話してたことしかわからないから、当然どこの世界なのかわからないのよ。
どうして転生したのが私だったのかしら?
でもそんなこと言ってる場合じゃないわ!
あの私に無関心な夫とよく似ている息子とはいえ、私がお腹を痛めて生んだ愛しい我が子よ!
子供がいないなら離縁して平民になり生きていってもいいけど、子供がいるなら話は別。
私は自分の息子の為、そして私の為に離縁などしないわ!
無関心夫なんて宛にせず私が息子を立派な侯爵になるようにしてみせるわ!
前世60代女性だった孫にばぁばと言われていたベレッタが立ち上がる!
無関心夫の愛なんて求めてないけど夫にも事情があり夫にはガツンガツン言葉で責めて凹ませますが、夫へのざまあはありません。
他の人たちのざまあはアリ。
ユルユル設定です。
ご了承下さい。
【BL】こんな恋、したくなかった
のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】
人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。
ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。
※ご都合主義、ハッピーエンド
浮気くらいで騒ぐなとおっしゃるなら、そのとおり従ってあげましょう。
Hibah
恋愛
私の夫エルキュールは、王位継承権がある王子ではないものの、その勇敢さと知性で知られた高貴な男性でした。貴族社会では珍しいことに、私たちは婚約の段階で互いに恋に落ち、幸せな結婚生活へと進みました。しかし、ある日を境に、夫は私以外の女性を部屋に連れ込むようになります。そして「男なら誰でもやっている」と、浮気を肯定し、開き直ってしまいます。私は夫のその態度に心から苦しみました。夫を愛していないわけではなく、愛し続けているからこそ、辛いのです。しかし、夫は変わってしまいました。もうどうしようもないので、私も変わることにします。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
婚約破棄された夏冬の聖女は隣国へ。王子が愛してくれるから全力で尽くすことにした。
みらいつりびと
ファンタジー
「婚約破棄だ! おまえが魔女だったとはな! 我が国から追放する!」
「誤解です。わたしは夏冬の聖女。国を守っているのです!」
「黒魔術を使っているではないか! さっさと失せろ!」
王子は聞く耳を持たず、わたしを足蹴にした。
こんな国を守るのは馬鹿らしい。わたしは隣国へ行くことにした……。
夏冬の聖女クロエ・ブライアンは隣国の王子ジルベール・ヴァレンティンと出会う。冒険恋愛ファンタジー。
2023年8月26日から毎日連載します。
全37回。婚約破棄とざまぁのハッピーエンド長編小説です。
婚約破棄から始まり、ざまぁで終わる小説がかなり以前から流行っているというというのは、わりと最近知りました。
初稿と第2稿を2か月かけて書きました。テンプレに合わせて長編を執筆するのは初めてで、難しかったです。
推理と登山、国家間の抗争なども出てきます。ミステリーの要素を長編に組み込むのは、私にとって初めての試みでした。
登山は私の趣味です。
テンプレ小説を書いても、作者の好みやオリジナリティは作品ににじみ出てくるものだと思います。
婚約破棄ものを最初に書いた方に敬意を表し、本作を発表します。
歳の差100歳ですが、諦めません!
遠野さつき
恋愛
「レイさん、結婚して!」
「なーに言ってんの、お子さまが」
デュラハン防具職人のメルディは18歳。
父親の親友で、ハーフエルフのレイは141歳。
100歳以上の歳の差にもめげず、メルディはレイに恋をしていた。
初めて「好き!」と告白してから早13年。
何度想いを伝えても、うまく躱されてしまう。
そんな中、メルディが作った鎧の偽物が出回っていると耳にする。
「レイさんと一緒に作った鎧なのに!」
絶対に犯人をとっ捕まえてやる!
そう決意したメルディは一人で旅に出ようとした……が?
「君を一人で行かせるわけないでしょ」
※歳の差もだもだ恋愛+お仕事+ほんのり冒険成分です。
※この作品は小説家になろう、Nolaノベル、カクヨムにも掲載しています。
【完結】婚約者と幼馴染があまりにも仲良しなので喜んで身を引きます。
天歌
恋愛
「あーーん!ダンテェ!ちょっと聞いてよっ!」
甘えた声でそう言いながら来たかと思えば、私の婚約者ダンテに寄り添うこの女性は、ダンテの幼馴染アリエラ様。
「ちょ、ちょっとアリエラ…。シャティアが見ているぞ」
ダンテはアリエラ様を軽く手で制止しつつも、私の方をチラチラと見ながら満更でも無いようだ。
「あ、シャティア様もいたんですね〜。そんな事よりもダンテッ…あのね…」
この距離で私が見えなければ医者を全力でお勧めしたい。
そして完全に2人の世界に入っていく婚約者とその幼馴染…。
いつもこうなのだ。
いつも私がダンテと過ごしていると必ずと言って良いほどアリエラ様が現れ2人の世界へ旅立たれる。
私も想い合う2人を引き離すような悪女ではありませんよ?
喜んで、身を引かせていただきます!
短編予定です。
設定緩いかもしれません。お許しください。
感想欄、返す自信が無く閉じています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる