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「あ!創一、こっちこっち!」



店に着くと、学の隣に綾瀬が座って小さく会釈していた。



「この前のOG会以来だな?」



「はい・・・この前、言わなくてごめんなさい。
直前になってやっぱり恥ずかしくなって。
学さんから、創さんが凄く怒ってたって聞いて・・・」



しょぼんとしている綾瀬に申し訳なる。



「まぁ・・・な。一応元顧問だし。」



とりあえず、話を合わせておく。




そんな始まりだった飲み会だったが、時間が経つにつれて楽しい会になった。




「そういえば、この前女バスの子の紹介で友里に紹介した男子さ!」




綾瀬が急にそんなことを話だし、俺は一気に緊張する。




「友里が眠くなってきたって言ったらブラックコーヒー渡しててさ?
なんか面白い感じで友里に断られてて、すごく可哀想だけどなんか面白くて!
友里、あんな美人なのに相当甘くしたカフェオレしか飲めないの!」




綾瀬が笑いながらスマホを弄った。




「あと、この前みんなで運動しに言ったんですよね、ここ!」



綾瀬がスマホを渡し、写真を見せてくれた。
そこには、スポーツ施設に部活のメンバーで遊びに行き撮った写真が沢山あった。




早川はいつもの笑顔で写真に写っていて、思わずつられて俺も笑顔になる。




「早川と同じ学部なんだっけ?
あいつ元気?さすがに彼氏出来たか?」




綾瀬から聞く早川の話は、あいつの姿が目に浮かぶようなエピソードばかりだった。
まるで、俺もその場に一緒にいるような変な感覚になる。




会いたい・・・



会いたい・・・




その想いは、時間が経ち忘れるどころか益々強くなる。
俺は定期的に学と綾瀬に会い、バレないようさりげなく綾瀬から早川の話を聞き出していた。




もう二度と会うことはないと分かっている。
俺のこんな厭らしい想いなんて、早川に知られるわけにいかないから、その方がいい。




良い教師でい続けることが、俺に出来る唯一のことだった。
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