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それには、おじさんは首を傾げる。
「仁君は対人スキルが元々高いのに・・・?」
「“人に頼る”スキルは、“いち”の方にある。
俺は頼られることはあっても、人に頼ることは出来なかった。
“いち”にも出来なかった。
“いち”に対して出来るのは、交換条件だけだった。」
そして笑いなら、二葉が与えてくれた耳栓を見下ろす。
「二葉だけにしか、俺は頼れなかった。」
「二葉には頼れたんだね・・・。」
「俺は数字が1番苦手で。
二葉が何歳かは分からないけど、昔おばさんが熱を出して俺がおじさんの会社に電話を掛けたの覚えてる?」
「覚えてるよ!
二葉が3歳になったばっかりだったかな?」
「あの電話を掛けるのに、二葉に助けを求めた。
俺は・・・数字が全く分からない。
その年齢の二葉に名刺の数字を見せて、1つずつ電話機の番号と照らし合わせてもらった。」
おじさんは驚いてから、面白そうに笑った。
「ゲームか・・・。」
「二葉にゲームをしてもらった。
俺はよく・・・二葉とゲームをして遊んでいたから。」
「あの頃の二葉は、僕が発するゲームという言葉にもよく反応していた。
てっきり、僕の血かと思っていたけど・・・。
喋れるようになってからは、よく“じぃとやるゲームの方が楽しい”と文句を言われたな。」
「仁君は対人スキルが元々高いのに・・・?」
「“人に頼る”スキルは、“いち”の方にある。
俺は頼られることはあっても、人に頼ることは出来なかった。
“いち”にも出来なかった。
“いち”に対して出来るのは、交換条件だけだった。」
そして笑いなら、二葉が与えてくれた耳栓を見下ろす。
「二葉だけにしか、俺は頼れなかった。」
「二葉には頼れたんだね・・・。」
「俺は数字が1番苦手で。
二葉が何歳かは分からないけど、昔おばさんが熱を出して俺がおじさんの会社に電話を掛けたの覚えてる?」
「覚えてるよ!
二葉が3歳になったばっかりだったかな?」
「あの電話を掛けるのに、二葉に助けを求めた。
俺は・・・数字が全く分からない。
その年齢の二葉に名刺の数字を見せて、1つずつ電話機の番号と照らし合わせてもらった。」
おじさんは驚いてから、面白そうに笑った。
「ゲームか・・・。」
「二葉にゲームをしてもらった。
俺はよく・・・二葉とゲームをして遊んでいたから。」
「あの頃の二葉は、僕が発するゲームという言葉にもよく反応していた。
てっきり、僕の血かと思っていたけど・・・。
喋れるようになってからは、よく“じぃとやるゲームの方が楽しい”と文句を言われたな。」
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