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「大丈夫・・・かな?」



タクシーの中、少し難しそうな顔で黙っているシューに話し掛ける。
私の左手を握るシューの手に、ギュッと力が入った。



「うん・・・何があっても、ちゃんと、俺が守るから。」



そんな嬉しいことを言ってくれる。



それに・・・



「お肉楽しみだな~!」



ビニール袋に入った大量のお肉をまた見ると、シューが吹き出しながら笑った。



「夏生、何回お肉見てるの!?
まあ、昨日約束守れなかった俺が悪かったけど・・・」



「先輩?」



“先輩”と言うと、シューがピクッと反応する。



「私が先輩といる所、見たの?」



「うん、ジムの前で・・・」



「たまたま会ったんだよね。
それで、私のこの姿に驚いて、喜んでくれて・・・」



「うん・・・」



私の左手を握るシューの右手に、ギュッ力が入った。



「良い恋愛出来てるんだねって。」



「良い、恋愛・・・?」



「そんな人と出会えて良かったねって。」




驚くシューに、私は笑いかける。




「シューのことだよ?
シューこと、話してたんだよ?」




私の左手を握るシューの右手に、私の左手を重ねる。




「誰よりも可愛い顔の、シュー。
私は、シューが1番好き、1番。」



「夏生・・・」



「何で、1番って言葉が自然と浮かぶんだろうって思ってた。」



私の左手に、今度はシューが最後の手を重ねてくれる。



「あんな男みたいな、あんな・・・大きな手を握って・・・「1番可愛い」って言ってくれた。
私は、あの時から・・・シューのこと、ちゃんと、1番好きだったんだと思う。」



自覚出来ていなかったけど、心の奥底では、大きな手を持つ先輩よりも、女の子みたいな手を持っているシューのことが、“1番”好きだったんだと、やっと分かった。
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