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「・・・あ!」



お店に入ると、お会計の所にいた店員さんが俺の顔を見て、“shu-”だと分かったようで。



店内をグルッと見渡しても、テーブル席には夏生の姿がなかった。




「ごめんね、人迎えに来たんだ。
男女のグループでさ、個室使ってるグループある?」



「この・・・時間ですと、3組は男女のグループのお客様ですね。」



「そっか・・・」



俺は少し考えてから、店員さんを見る。



「モデルみたいな女の子、いない?
背が高くて、髪の毛は短い、モデルみたいな女の子。」



店員さんをジッと見ていると、店員さんはすぐに「ああ!」と声を上げた。



「いますいます!モデルみたいな子!
他のお客さんからも、スタッフからもすごい話題になってて!
やっぱりモデルさんなんですね!!」



俺は、思わず笑ってしまう。



「どこの個室?」



「あそこです、ここから真っ直ぐ行って・・・」



店員さんに教えてもらい、俺はその個室へと向かう。




その途中で・・・




「・・・あれ、“shu-”じゃない?」


「ほんどだ・・・!!」


「やっぱり、あの子も一般人じゃなかったのか~」




そんな他のお客さんからの声が聞こえ、俺はチラリと自分の格好を見る。
急いで着替えて来たから、長めの白いシャツに、動きやすいようにデニムで来てしまった。
女の子の格好としては弱いその格好・・・。





まだ上がっている息を少しだけ整え、個室の扉を開く。






扉のすぐ近くの席に、夏生が俯いて座っていた。





「あ!・・・・・・え!?」





夏生を守るように座り、心配してくれている見覚えのある女の子が、俺を見て驚いた声を上げる。





その声に気付き、夏生が、ゆっくりと顔を上げ・・・





俺を、見た。






やっぱり、誰にも渡したくない・・・





まだ整わない呼吸の中、強く、強く、そう思った・・・。
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