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「え・・・」


「うそ!?あれって・・・」




“俺”に気付いた生徒達が、ザワザワと騒ぎだした。




止まりそうになる足を、必死に動かす。




俯きそうになる顔を、無理矢理上げる。




俺を何度もチラチラ見る女子達の姿を、俺もチラリと見る。
ただ、制服を着ているだけの女子達。
折角キラキラした可愛い服を着られるのに、それを、“ただ、着ているだけ”。





その女子達と同じスカートをなびかせ、俺も歩く。





「宗・・・!?」




後ろから、息を切らせた大輝が声を掛けてきた。





驚いた顔で、俺を見ている。






怖い・・・





怖い・・・






夏生・・・。





俺の悩みも、不安も、葛藤も、全てを一瞬で吹き飛ばす、あの豪快な笑顔が頭に浮かぶ。





“泣かない、笑え、笑え。”





夏生がかけてくれた“おまじない”を、俺も唱える。





背筋を伸ばす・・・




口角を上げる・・・




大輝の目をジッと見詰めた後・・・




ニッコリと笑い、首をかしげる・・・。






「おはよう!大輝!」
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