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前にしか扉がない教室での授業。
そこに、遅刻ギリギリで入る。
多くの席が座られており、空いている席を見渡すと桃花がいるのを見付けた。
“泣かない、笑え、笑え。”
バスケを中学1年から始め、すぐにスタメンになった。
先輩達と出る試合、相手選手はみんな歳上。
正直、毎回すごく怖かった。
毎回震える足を動かしながら、試合の始まるコートに入った。
その時、いつからか無意識に、この“おまじない”を頭の中で唱えていた。
この“おまじない”を唱えると、自然と姿勢が整い、堂々と、強い心の自分でいられた。
桃花の方に向かうため、教室の中の階段を1段1段上っていく。
ザワザワとしていた教室は、段々と静かになっていく。
私の席も確保してくれている桃花の席まで着た時、教室内は静まり返っていた。
「えぇっと・・・」
すぐ目の前に立つ私を、桃花が困惑した顔で見上げる。
“誰にも文句を言わせないくらい、可愛い女の子になっておいで。”
そんな懐かしい言葉を、わたしに言ってくれたシュー。
嬉しくて、思わず笑ってしまう。
「おはよう、桃花。」
笑いながら、桃花に挨拶をする。
「・・・・・もしかして、夏生?」
目を真ん丸にする桃花に、私は頷いた。
シーンっとしていた教室が、ザワッッと大きく騒ぎだす。
そこに、遅刻ギリギリで入る。
多くの席が座られており、空いている席を見渡すと桃花がいるのを見付けた。
“泣かない、笑え、笑え。”
バスケを中学1年から始め、すぐにスタメンになった。
先輩達と出る試合、相手選手はみんな歳上。
正直、毎回すごく怖かった。
毎回震える足を動かしながら、試合の始まるコートに入った。
その時、いつからか無意識に、この“おまじない”を頭の中で唱えていた。
この“おまじない”を唱えると、自然と姿勢が整い、堂々と、強い心の自分でいられた。
桃花の方に向かうため、教室の中の階段を1段1段上っていく。
ザワザワとしていた教室は、段々と静かになっていく。
私の席も確保してくれている桃花の席まで着た時、教室内は静まり返っていた。
「えぇっと・・・」
すぐ目の前に立つ私を、桃花が困惑した顔で見上げる。
“誰にも文句を言わせないくらい、可愛い女の子になっておいで。”
そんな懐かしい言葉を、わたしに言ってくれたシュー。
嬉しくて、思わず笑ってしまう。
「おはよう、桃花。」
笑いながら、桃花に挨拶をする。
「・・・・・もしかして、夏生?」
目を真ん丸にする桃花に、私は頷いた。
シーンっとしていた教室が、ザワッッと大きく騒ぎだす。
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