16 / 36
1
1-16
しおりを挟む
そう伝えた俺に、愛姉は・・・愛花は少しだけ考えた顔になり、それから困ったように笑った。
「ごめんね・・・?」
そう言われた瞬間、俺は口を抑えて号泣した。
そしたら・・・
「私はキスもエッチもしてみたいな・・・。」
恥ずかしそうな顔でそう言ってきて・・・
「私はみっちゃんの彼女達みたいに美人でも可愛くもないけど、私にも少しはして欲しいな・・・。」
そう言って俺のことを見上げているこの女の子の顔は可愛すぎて。
やっぱり、俺には誰よりも可愛すぎて。
泣きそうな顔で笑った顔でもないのに、こんなにも愛おしいと思えて。
本気でそう思っているはずなのに、可愛い女の子に”可愛い“と簡単に言えるはずの俺の口からは“可愛い“の”か“という声も何故か出せなくて。
それが苦しすぎて、俺は震える手で・・・
愛姉の手を・・・、愛花の手を少しだけ握った。
「抱き締めてもいい・・・?」
聞いた俺に愛花は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに小さく頷き・・・
そんな愛花のことを俺は震える両手で抱き締めた。
また大きく泣いた俺の背中を愛花が昔のように優しく擦ってくれる。
「定光、お誕生日おめでとう。」
俺がこの世界に生まれたことを祝ってくれた愛花が楽しそうに笑いながら、続けた。
「青君の言ってた通りになった。
今日が定光の誕生日になるって。」
そんな言葉には泣きながらも首を傾げると、愛花は楽しそうに笑って。
「“あいつは自分の気持ちを愛姉に伝えられる男に生まれ変わるから、その時は鎌田のことを受け入れて欲しい。
生まれ変わったあいつへの誕生日プレゼントとして、愛姉自身のことをあげて欲しい。”とは言われてて。
その後は、“もしも店の中でそれが出来なかったとしても、望が必ず鎌田のことを駅まで向かわせる。
あいつは鎌田にもめちゃくちゃ懐いてたし、鎌田もあいつのことはちゃんと可愛がってたから、望の言葉ならあいつにもきっと届くはずだから。
だから愛姉は振り向くことなく真っ直ぐと駅まで歩いて行って。“
青君は私にはそう言ってたけど、望ちゃんといったら”ダメ秘書“の望ちゃんでしょ?
青君は望ちゃんには”あいつを1度殺して生まれ変わらせろ“っていう指示しか出してないとは聞いていて。
だから私がお店を出た後は凄く心配だったけど、みっちゃんの親友の青君の言うことを信じて真っ直ぐ歩いてみたよ。」
「俺が来るって知ってたの・・・?
知ってて、あんなこと言ってたの・・・?」
「うん、だってみっちゃんはこうでもしないと私の幸せだけしか考えないって青君が言うから。
それだとみっちゃんは可哀想なままこの人生を終えることになるって。
私が望ちゃんのフォローも出来るように、今日まで青君から指導をされてて、私も結構頑張ったんだよ?」
それを聞き、俺は泣きながらも大きく笑った。
「あいつ、しっかり望ちゃんのフォローしてるじゃん!!!!」
「私は演技なんて出来ないから不安だったけど、こうしてみっちゃんが来てくれて良かった。」
「女ってやっぱり怖いね。
全然気付かなかった・・・。」
「怖いのはみっちゃんだよ。
何人の女の子とエッチしたの?」
「途中から数えてないや。」
「イトコ同士の子どもの心配よりも、みっちゃんのそういう病気の方が心配だよ?」
「気を付けてはいたけど、すぐに病院に行ってきます。」
俺の返事に心配そうに、でも嬉しそうに、幸せそうに笑う愛花の向こう側には、やっぱり綺麗な青空が広がっていた。
「やっぱり、俺・・・あのさ、結果が分かって大丈夫そうだったら、すぐにキスとかセックスしても良い?」
「・・・これ、おちんちん大きくなってるの?」
「抱き締めただけでマジで無理だ・・・。
なんか・・・マジで、無理だ・・・。」
”本気で愛してる女とのセックスは、マジでみこすり半になるくらいの気持ち良さだからな!!?“
青い空に青の顔が重なり、去年の年末に聞いた捨て台詞をまた言われたような気がして、自然と笑いながら愛花のことを強く抱き締めた。
あの2人のお姉様のことを考えると今からめっっっっっっっっちゃ憂鬱ではあるけれど、いつまでも愛花に守られてばかりはいられないから、強く強く覚悟を決めた。
「お姉ちゃん達喜んじゃうだろうな。
パシリが私しかいなくて毎日イライラしてるし、オモチャがなくて毎日退屈そうにしてるから。」
「・・・・・・・ごめん、やっぱり凄く怖くなってきた。」
「大丈夫だよ、”愛姉“がいるでしょ?”みっちゃん“。」
俺には3人のお姉様がいる。
上の2人のお姉様は”女王様“で、1番下は弱い弱い女の子。
いつもお姉様達からパシリにされ、いつも自信がなさそうに下を向いていた女の子。
でも、俺のことを守る時だけはあのお姉様達よりも強くなる時がある。
あのお姉様達でもビッッッックリするくらい、強く強くなる時が。
”あの母親の血が愛花にもやっぱり流れてる。“
2人のお姉様は満足そうに笑っていたけれど、俺は何も笑えなかった。
ずっと昔から、全然笑えなかった。
「”ずっと一緒にいて、愛姉・・・。
俺、愛姉のことが大好きだから・・・。
伯母さんみたいに他の男の所になんて行かないで、俺とずっと一緒にいて・・・。”」
愛姉のことを女の子として愛していると自覚をする前、それまでは何度も何度もこうやって抱き合い伝えていた言葉を、久しぶりに伝えた。
本当に、本気で、俺が愛している従姉である愛姉に、伝えた。
·
「ごめんね・・・?」
そう言われた瞬間、俺は口を抑えて号泣した。
そしたら・・・
「私はキスもエッチもしてみたいな・・・。」
恥ずかしそうな顔でそう言ってきて・・・
「私はみっちゃんの彼女達みたいに美人でも可愛くもないけど、私にも少しはして欲しいな・・・。」
そう言って俺のことを見上げているこの女の子の顔は可愛すぎて。
やっぱり、俺には誰よりも可愛すぎて。
泣きそうな顔で笑った顔でもないのに、こんなにも愛おしいと思えて。
本気でそう思っているはずなのに、可愛い女の子に”可愛い“と簡単に言えるはずの俺の口からは“可愛い“の”か“という声も何故か出せなくて。
それが苦しすぎて、俺は震える手で・・・
愛姉の手を・・・、愛花の手を少しだけ握った。
「抱き締めてもいい・・・?」
聞いた俺に愛花は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに小さく頷き・・・
そんな愛花のことを俺は震える両手で抱き締めた。
また大きく泣いた俺の背中を愛花が昔のように優しく擦ってくれる。
「定光、お誕生日おめでとう。」
俺がこの世界に生まれたことを祝ってくれた愛花が楽しそうに笑いながら、続けた。
「青君の言ってた通りになった。
今日が定光の誕生日になるって。」
そんな言葉には泣きながらも首を傾げると、愛花は楽しそうに笑って。
「“あいつは自分の気持ちを愛姉に伝えられる男に生まれ変わるから、その時は鎌田のことを受け入れて欲しい。
生まれ変わったあいつへの誕生日プレゼントとして、愛姉自身のことをあげて欲しい。”とは言われてて。
その後は、“もしも店の中でそれが出来なかったとしても、望が必ず鎌田のことを駅まで向かわせる。
あいつは鎌田にもめちゃくちゃ懐いてたし、鎌田もあいつのことはちゃんと可愛がってたから、望の言葉ならあいつにもきっと届くはずだから。
だから愛姉は振り向くことなく真っ直ぐと駅まで歩いて行って。“
青君は私にはそう言ってたけど、望ちゃんといったら”ダメ秘書“の望ちゃんでしょ?
青君は望ちゃんには”あいつを1度殺して生まれ変わらせろ“っていう指示しか出してないとは聞いていて。
だから私がお店を出た後は凄く心配だったけど、みっちゃんの親友の青君の言うことを信じて真っ直ぐ歩いてみたよ。」
「俺が来るって知ってたの・・・?
知ってて、あんなこと言ってたの・・・?」
「うん、だってみっちゃんはこうでもしないと私の幸せだけしか考えないって青君が言うから。
それだとみっちゃんは可哀想なままこの人生を終えることになるって。
私が望ちゃんのフォローも出来るように、今日まで青君から指導をされてて、私も結構頑張ったんだよ?」
それを聞き、俺は泣きながらも大きく笑った。
「あいつ、しっかり望ちゃんのフォローしてるじゃん!!!!」
「私は演技なんて出来ないから不安だったけど、こうしてみっちゃんが来てくれて良かった。」
「女ってやっぱり怖いね。
全然気付かなかった・・・。」
「怖いのはみっちゃんだよ。
何人の女の子とエッチしたの?」
「途中から数えてないや。」
「イトコ同士の子どもの心配よりも、みっちゃんのそういう病気の方が心配だよ?」
「気を付けてはいたけど、すぐに病院に行ってきます。」
俺の返事に心配そうに、でも嬉しそうに、幸せそうに笑う愛花の向こう側には、やっぱり綺麗な青空が広がっていた。
「やっぱり、俺・・・あのさ、結果が分かって大丈夫そうだったら、すぐにキスとかセックスしても良い?」
「・・・これ、おちんちん大きくなってるの?」
「抱き締めただけでマジで無理だ・・・。
なんか・・・マジで、無理だ・・・。」
”本気で愛してる女とのセックスは、マジでみこすり半になるくらいの気持ち良さだからな!!?“
青い空に青の顔が重なり、去年の年末に聞いた捨て台詞をまた言われたような気がして、自然と笑いながら愛花のことを強く抱き締めた。
あの2人のお姉様のことを考えると今からめっっっっっっっっちゃ憂鬱ではあるけれど、いつまでも愛花に守られてばかりはいられないから、強く強く覚悟を決めた。
「お姉ちゃん達喜んじゃうだろうな。
パシリが私しかいなくて毎日イライラしてるし、オモチャがなくて毎日退屈そうにしてるから。」
「・・・・・・・ごめん、やっぱり凄く怖くなってきた。」
「大丈夫だよ、”愛姉“がいるでしょ?”みっちゃん“。」
俺には3人のお姉様がいる。
上の2人のお姉様は”女王様“で、1番下は弱い弱い女の子。
いつもお姉様達からパシリにされ、いつも自信がなさそうに下を向いていた女の子。
でも、俺のことを守る時だけはあのお姉様達よりも強くなる時がある。
あのお姉様達でもビッッッックリするくらい、強く強くなる時が。
”あの母親の血が愛花にもやっぱり流れてる。“
2人のお姉様は満足そうに笑っていたけれど、俺は何も笑えなかった。
ずっと昔から、全然笑えなかった。
「”ずっと一緒にいて、愛姉・・・。
俺、愛姉のことが大好きだから・・・。
伯母さんみたいに他の男の所になんて行かないで、俺とずっと一緒にいて・・・。”」
愛姉のことを女の子として愛していると自覚をする前、それまでは何度も何度もこうやって抱き合い伝えていた言葉を、久しぶりに伝えた。
本当に、本気で、俺が愛している従姉である愛姉に、伝えた。
·
1
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる