【完】好き好き大好きの嘘

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そう伝えた俺の顔を見上げるこの子の顔を見て、俺は自然と笑顔になった。



だって、出てきたから。



翔子の奥底にいたであろう“結子”が、完全に出てきたから。



“結子”は顔を真っ赤にさせ、目までウルウルとさせ、何かを言おうと口を開けている。



そんな可愛い過ぎる“結子”の顔を見下ろしながら、優しく添えた左手で“結子”の右手の指をゆっくりと開いていく。



1度俺のこの胸に貰ったはずの“結子”の俺への気持ち。



忘れようと、なかったことにしようとしているその綺麗な気持ち。



それがもう1度“結子”のこの胸に戻るように・・・。



開いた右手を優しく握り、それを“結子”の胸の真ん中に添えるように導き・・・



“結子”の右手を俺は右手で優しく抑えた。