【完】好き好き大好きの嘘

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小学校6年



日曜日、和と2人で小学校の開放されていた校庭で勉強をした後に和の家へと向かう。
和は既に的場製菓の社長になる為の教育を1年生の時からされていて、それを俺にも教えてくれていた。



「増田財閥のやり方は知らなくて本当に良いのかよ？」



「そのやり方はもう知ってるからな。
もう何も取られないようにする為、怒りの感情だけで上を目指すっていうだけ。
そして増田財閥を存続させる為に灰色にも真っ黒にもなる。」



「俺の父さんはそこまではやってねーだろうからな、デカ過ぎる“家”は大変だよな。」



「和から話を聞く限りはそうだよな、でももっと上にいく為にはそういうこともしないといけない。
永家もそうなんだろ？」



数日前、和から従妹に初めて会ったと聞いた。
婚約者と結婚をしなかった和のお母さん、その子どもには本家の娘達の教育の為にまだ会わせられないということで、これまで会うことは出来ていなかったという。



「父さんと母さんが言うには、永家もそういうこともやるらしいな。
でも2人の従妹ともそういうことがやれるタイプに見えなかった。
3秒ルールも知らない、タイプはそれぞれ違うお嬢様って感じで。
精神が強いとも違うような何というか・・・気の強い子と大人しい、双子の女の子。」



「まだ小学生の女の子だしな、それが普通だろ。
だから永家の教育を教えてくれないかもしれねーな～。
和はいいだろうけど俺は増田財閥の人間だし。」



今日は和の従妹のうちの1人が和に会いに来る予定になっていた。
永家財閥の本家の次女、その女の子は生まれた時から永家の教育を受けているそうなので、和も俺もその女の子から永家のやり方を教えて貰いたいと思っていた。



和は的場製菓を永家の主から守る為、そして妹を守る為。
俺は増田の主のもっと上をいく為。



もう1つの財閥の本家の長男である俺にそんな大切なことを教えてくれるとは思えないけれど、でも所詮は金持ちのお嬢様。



増田の“家”のいとこ達を思い浮かべ、何とでも出来ると思ってしまった。



「顔は俺の妹にソックリで可愛い顔してたぞ！！」



「岩渕さんより？」



「いや、真理よりは・・・変なこと言わすなよ！！」




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