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そう言った俺に、竜さんはまた強引に俺の胸に一升瓶を押し付けてきた。
「俺とこいつの息子だぞ?
お前がぶっ殺したいと強く思った時には、割れることなくそいつをぶっ殺せるくらい強い男に育ててる。
だから持っていけ、“一夜”を持っていけ。」
そんなことを言われてしまい、俺は仕方なく“一夜”をこの胸で受け取った。
そしたら、おばばセンパイが俺の頭にのっていた手を優しく1度だけポンッとした。
「ユズがぶっ殺す時は“一夜”で思いっきりぶっ殺しなさい。
それで“女好きの竜に言われた”とでも言っておけばいい。」
「いいぞ、でもヤる時は徹底的にやれよ?
この世界は弱肉強食だからな、変に生き残しておいたらもっと強くなる。
そしたら厄介だからな。」
竜さんのその言葉には俺は大きく頷いた。
そんな俺をオババせんぱいが力強い目で見下ろしてくる。
「この商店街のように厄介な男になれたわね、いい子以外の何者でもない。」
オババせんぱいがゆっくりと俺の頭から手を離し、その右手を俺の胸にある“一夜”に伸ばしてきた。
そしたらそれと同時に竜さんも。
俺の胸の真ん中にある“一夜”の上に、竜さんとオババせんぱいの右手が重なった。
つい数日前に離婚したはずの2人の手が綺麗に重なっている。
「ぶっ殺してこい、ユズ。」
竜さんの言葉にオババせんぱいが大きく頷く。
この商店街の“異端児”と呼ばれていた竜さんは、大人になってからも他の大人達が言うこととは全然違うことを言う。
そしてオババせんぱいまでそんな竜さんの言葉に深く頷く。
俺達の憧れであり怖い存在でもあるこの2人から、2人の息子の“一夜”でぶっ殺すことを許して貰えた。
「人殺しまではしないけどな。」
そう呟きながら、トラックの荷台にのせていた俺の荷物へと“一夜”を詰め込んだ。
詰め込んだけれど、何故かこの胸には竜さんとオババせんぱいの言葉が気持ち良いくらいに残っている。
まさか大人から“ぶっ殺してこい”なんて言われると思わなかったからだと思う。
「俺とこいつの息子だぞ?
お前がぶっ殺したいと強く思った時には、割れることなくそいつをぶっ殺せるくらい強い男に育ててる。
だから持っていけ、“一夜”を持っていけ。」
そんなことを言われてしまい、俺は仕方なく“一夜”をこの胸で受け取った。
そしたら、おばばセンパイが俺の頭にのっていた手を優しく1度だけポンッとした。
「ユズがぶっ殺す時は“一夜”で思いっきりぶっ殺しなさい。
それで“女好きの竜に言われた”とでも言っておけばいい。」
「いいぞ、でもヤる時は徹底的にやれよ?
この世界は弱肉強食だからな、変に生き残しておいたらもっと強くなる。
そしたら厄介だからな。」
竜さんのその言葉には俺は大きく頷いた。
そんな俺をオババせんぱいが力強い目で見下ろしてくる。
「この商店街のように厄介な男になれたわね、いい子以外の何者でもない。」
オババせんぱいがゆっくりと俺の頭から手を離し、その右手を俺の胸にある“一夜”に伸ばしてきた。
そしたらそれと同時に竜さんも。
俺の胸の真ん中にある“一夜”の上に、竜さんとオババせんぱいの右手が重なった。
つい数日前に離婚したはずの2人の手が綺麗に重なっている。
「ぶっ殺してこい、ユズ。」
竜さんの言葉にオババせんぱいが大きく頷く。
この商店街の“異端児”と呼ばれていた竜さんは、大人になってからも他の大人達が言うこととは全然違うことを言う。
そしてオババせんぱいまでそんな竜さんの言葉に深く頷く。
俺達の憧れであり怖い存在でもあるこの2人から、2人の息子の“一夜”でぶっ殺すことを許して貰えた。
「人殺しまではしないけどな。」
そう呟きながら、トラックの荷台にのせていた俺の荷物へと“一夜”を詰め込んだ。
詰め込んだけれど、何故かこの胸には竜さんとオババせんぱいの言葉が気持ち良いくらいに残っている。
まさか大人から“ぶっ殺してこい”なんて言われると思わなかったからだと思う。
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