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終業式
みんなより一足先に商店街に帰ると、俺の家の前にはトラックがとまっていた。
そのトラックもよく見えないくらいに沢山の大人達が家の前に集まっている。
この商店街の大人達が・・・。
その1番後ろに立つずんぐりむっくりしたおじさんが、片手をポケットに入れてもう片方の手で紙袋から一升瓶を取り出し肩に担いだのを俺は見た。
そのタイミングで俺はおじさんに言った。
「竜さん、それで殴り込みとかやめてね?」
駄菓子屋の息子で元不良、“女好きの竜”である竜さんにそう言うと、竜さんはマンガかというくらいビクッと大きく反応していた。
「ビビった!!ユズか!!!
じゃあ俺の代わりにぶっ殺してこい!!!」
竜さんに一升瓶を無理矢理渡され、俺はその一升瓶を持ちラベルを見てみた。
そしたらそこには“一夜”と書いてあった。
駿のお父さんが作っている純米酒。
その名前にはこの商店街で生まれた“天使”達の名前がつけられている。
「それは私と須崎の長男の名前の純米酒なの。
タカラ兄が作ってくれた新しい純米酒。
うちらは商店街を出ているけどね。」
オババせんぱいが俺の頭の上に優しく手をのせてくれた。
その顔には今日も綺麗な化粧がのっている。
「この前、息子達と一緒に遊んでくれてありがとうね?
雪だるまに化粧をしたって喜んでた。」
「それもこいつが画家の夢を諦めた時に封印した絵の具だったからな!!
その絵の具で化粧が出来たって2人とも喜んでたぞ!!」
「俺は最後に一緒に見ただけだったから。
でもそういえば2人の見掛けない男の子、よく思い返すと竜さんとオババせんぱいの子どもだった。」
あの日の光景を思い返していると、2人の見掛けない男の子達のことも思い出せた。
「2人とも竜さんに似なくてよかったね。」
「よくねーだろ!!!
1ミリも俺に似てないとか問題だろ!!!」
そんな竜さんの言葉には笑いながら、“一夜”の一升瓶を竜さんに返した。
「竜さんとオババせんぱいの大切な子どもの名前が書かれてる一升瓶でぶっ殺すわけにいかないから。」
みんなより一足先に商店街に帰ると、俺の家の前にはトラックがとまっていた。
そのトラックもよく見えないくらいに沢山の大人達が家の前に集まっている。
この商店街の大人達が・・・。
その1番後ろに立つずんぐりむっくりしたおじさんが、片手をポケットに入れてもう片方の手で紙袋から一升瓶を取り出し肩に担いだのを俺は見た。
そのタイミングで俺はおじさんに言った。
「竜さん、それで殴り込みとかやめてね?」
駄菓子屋の息子で元不良、“女好きの竜”である竜さんにそう言うと、竜さんはマンガかというくらいビクッと大きく反応していた。
「ビビった!!ユズか!!!
じゃあ俺の代わりにぶっ殺してこい!!!」
竜さんに一升瓶を無理矢理渡され、俺はその一升瓶を持ちラベルを見てみた。
そしたらそこには“一夜”と書いてあった。
駿のお父さんが作っている純米酒。
その名前にはこの商店街で生まれた“天使”達の名前がつけられている。
「それは私と須崎の長男の名前の純米酒なの。
タカラ兄が作ってくれた新しい純米酒。
うちらは商店街を出ているけどね。」
オババせんぱいが俺の頭の上に優しく手をのせてくれた。
その顔には今日も綺麗な化粧がのっている。
「この前、息子達と一緒に遊んでくれてありがとうね?
雪だるまに化粧をしたって喜んでた。」
「それもこいつが画家の夢を諦めた時に封印した絵の具だったからな!!
その絵の具で化粧が出来たって2人とも喜んでたぞ!!」
「俺は最後に一緒に見ただけだったから。
でもそういえば2人の見掛けない男の子、よく思い返すと竜さんとオババせんぱいの子どもだった。」
あの日の光景を思い返していると、2人の見掛けない男の子達のことも思い出せた。
「2人とも竜さんに似なくてよかったね。」
「よくねーだろ!!!
1ミリも俺に似てないとか問題だろ!!!」
そんな竜さんの言葉には笑いながら、“一夜”の一升瓶を竜さんに返した。
「竜さんとオババせんぱいの大切な子どもの名前が書かれてる一升瓶でぶっ殺すわけにいかないから。」
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