【完】好き好き大好きの嘘

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15-10

和に“もう1人”と聞くということは、それは増田君のことで。
翔子とも長く付き合っていたしこの前は同席していた。
次女である翔子と別れる時も相手が来る必要があるのかと思っていると・・・



「会えるのを楽しみにしてたんだけどね。」



おばあちゃんが残念そうな顔をして和にそんなことを言っていて、和が腕時計をまた見下ろしている。



「孫と同じ歳の男だぞ！？
何が楽しみなんだ！！！！」



急におじいちゃんが顔を真っ赤にしておばあちゃんに怒鳴り付け、それには驚く。



おじいちゃんはおばあちゃんにだけは優しい人で。
妙子ちゃんへの優しさともまた違う優しい感じで、それだけは私も翔子も少しだけおじいちゃんのことを見直していた。



そのおじいちゃんがおばあちゃんに対して顔を真っ赤にして怒鳴り付けている。



それには全員が驚いた空気になり、私もどうしようかと思っていると・・・



応接間の扉がノックもなしに勢いよく開いた。



あまりにも勢いよく開いたので私含めて全員がそっちの方を見た。



そしたら、増田君がいた。



少しだけ呼吸を乱し、一瞬だけ私のことを見たように思ったけれど、すぐに和の方を見てニヤッと笑った。