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それには息が出来なくなるくらいの衝撃で。
胸がキュンキュンどころか苦しくなってくるくらいの衝撃で。
私は酸素を求めて口を開く。
そんな私の顔を今度は優しい優しい顔で見詰めながら、優しく添えた左手で私の右手の指をゆっくりと開いていく。
この人の優しい優しい顔と、優しい優しい左手に導かれるように、私は握り締めていたはずの右手をゆっくりと開いてしまった。
“結子”の“増田君”への気持ちを握り締めた右手を・・・。
それには戸惑いながらこの人を見詰めていると、やっぱり優しい優しい顔で、優しい優しい笑顔で・・・。
私の開いた右手を優しく握り、それを私の胸の真ん中に添えるように導き・・・
私の右手をこの人の右手が優しく抑えた。
開かれた自分の右手の熱を胸の真ん中に感じながら、私を見詰め続けるこの人を私も見詰め返し続ける。
この人はキラキラと輝く目で私を見詰め、その右手に少しだけ力を込めた。
それにより重ねられている私の右手にも力が込められる。
そして胸の真ん中の熱はもっと熱くなり・・・
そのタイミングで、この人はまた口をゆっくりと開いた。
「ずっと、好きだった。」
そう言われて・・・
そう言われて・・・
私は・・・
私は・・・
“ありがとう”と言おうと言葉を出そうとする・・・。
なのに声が出てこなくて・・・。
出てこなくて・・・。
出てきたのは涙だった・・・。
誰かの為の涙ではなく、自分の為の涙でもなく、嬉しさしかない感情の涙だった・・・。
初めて流れたその温かい涙を感じ・・・
この人に抑えられた私の胸の真ん中の熱を感じ・・・
泣きながら見上げるこの人の顔は、少しずつ私の顔に近付いてきた。
優しい顔で笑いながら近付いてくるこの人の顔を見詰めていたら、私の声が自然と出てきてしまった・・・。
「私もずっと好きだったんだよ・・・。」
私のその声が出終わった瞬間・・・
この人が空いていた左手を私の背中に回し、優しく私を引き寄せて・・・
私の唇に唇を重ねてきた・・・。
少しだけ触れるような優しいキスをされ、私の身体も頭もとろけてしまいそうで・・・。
必死に酸素を求めて口を開けた瞬間、この人の唇が少しだけしっかりと重なり、それに小さな声が漏れてしまった時、ゆっくりと唇が離れていった・・・。
初めて見る苦しそうな、でも興奮したような顔で私を見下ろすこの人の顔を見て、酸素を求めて私ももっと空気を吸っていく。
そんな私の顔を見下ろし続け、この人はまたゆっくりと口を開いた。
「俺と付き合って。」
そう言われて・・・
その言葉に・・・
とろけてしまっている身体と頭のまま、私は頷いた。
胸がキュンキュンどころか苦しくなってくるくらいの衝撃で。
私は酸素を求めて口を開く。
そんな私の顔を今度は優しい優しい顔で見詰めながら、優しく添えた左手で私の右手の指をゆっくりと開いていく。
この人の優しい優しい顔と、優しい優しい左手に導かれるように、私は握り締めていたはずの右手をゆっくりと開いてしまった。
“結子”の“増田君”への気持ちを握り締めた右手を・・・。
それには戸惑いながらこの人を見詰めていると、やっぱり優しい優しい顔で、優しい優しい笑顔で・・・。
私の開いた右手を優しく握り、それを私の胸の真ん中に添えるように導き・・・
私の右手をこの人の右手が優しく抑えた。
開かれた自分の右手の熱を胸の真ん中に感じながら、私を見詰め続けるこの人を私も見詰め返し続ける。
この人はキラキラと輝く目で私を見詰め、その右手に少しだけ力を込めた。
それにより重ねられている私の右手にも力が込められる。
そして胸の真ん中の熱はもっと熱くなり・・・
そのタイミングで、この人はまた口をゆっくりと開いた。
「ずっと、好きだった。」
そう言われて・・・
そう言われて・・・
私は・・・
私は・・・
“ありがとう”と言おうと言葉を出そうとする・・・。
なのに声が出てこなくて・・・。
出てこなくて・・・。
出てきたのは涙だった・・・。
誰かの為の涙ではなく、自分の為の涙でもなく、嬉しさしかない感情の涙だった・・・。
初めて流れたその温かい涙を感じ・・・
この人に抑えられた私の胸の真ん中の熱を感じ・・・
泣きながら見上げるこの人の顔は、少しずつ私の顔に近付いてきた。
優しい顔で笑いながら近付いてくるこの人の顔を見詰めていたら、私の声が自然と出てきてしまった・・・。
「私もずっと好きだったんだよ・・・。」
私のその声が出終わった瞬間・・・
この人が空いていた左手を私の背中に回し、優しく私を引き寄せて・・・
私の唇に唇を重ねてきた・・・。
少しだけ触れるような優しいキスをされ、私の身体も頭もとろけてしまいそうで・・・。
必死に酸素を求めて口を開けた瞬間、この人の唇が少しだけしっかりと重なり、それに小さな声が漏れてしまった時、ゆっくりと唇が離れていった・・・。
初めて見る苦しそうな、でも興奮したような顔で私を見下ろすこの人の顔を見て、酸素を求めて私ももっと空気を吸っていく。
そんな私の顔を見下ろし続け、この人はまたゆっくりと口を開いた。
「俺と付き合って。」
そう言われて・・・
その言葉に・・・
とろけてしまっている身体と頭のまま、私は頷いた。
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