【完】好き好き大好きの嘘

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「付き合うって？何に？」



「何にって、彼氏彼女の付き合う！！」



そんな翔子の言葉を聞いて私は固まった。



「私・・・信之君、いるから・・・。」



「でもまだ高校生だし、高校時代のこの時だけでも雰囲気だけでも経験させて貰えば？」



「増田君・・・私に、そういうのじゃないし・・・。」



「譲ね～！こんなに可愛い結子がいつも隣にいるのに恋とかしないのあり得るんだね～！
他の幼馴染み達の男子もさ～！
クラスの男子とか先輩とかには凄い告られたけどね！？」



翔子にそう言われ、私は苦笑いしか出来ない。



「“ナガナガコンビ”！！
永家結子と長峰雪枝！！
あの高校の美少女コンビ！！
“雪枝ちゃん”には犬猿の仲とはいえ“駿君”がいつもガードしまくってるからね、そっちには告白とか出来ない分結子に来るよね！！」



「そうだね、私のことは特に誰もガードとかしてくれないから・・・。」



「譲もいつも笑顔で見送ってくるしね、ニヤニヤしながら！！
あの笑顔見てると毎回文句言いたくなっていつも危なくなる。」



「・・・増田君、ニヤニヤしながら見送ってくるかな？
途中までは一緒に来てくれてるよね？」



「“永家のボディーガード”と呼ばれちゃってるくらいだからね！
でもニヤニヤした顔で見送ってない？」



「そうだったんだ・・・。
私には優しい顔にしか見えなくて・・・。
好きだから・・・そう見えるんだろうね・・・。」



そんな顔で見送られていたなんて初めて知った・・・。



「仲は良いんだし、告白とかそういうのじゃなくてお願いしてみたら？
付き合う雰囲気だけでも経験したいって！
卒業までの間だけでも、みんなに秘密にして！！」



「浮気も不倫もご法度なのに、そんなこと出来ないよ。」



「あの商店街の子達に影響されすぎだから！！」



私の返事に翔子は大笑いしながらお風呂場から出ていった。



「それにそんなことをしたら、綺麗に終わらせられないよ・・・。」



誰もいなくなったお風呂場で呟いた。
真っ白なドレスは着ていなかったのに、今日は真っ白な入浴剤を入れてしまっていた。