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「元気だよ。
母さんは美容部員として働いてて、父さんは何か色々と働いてる。」
和は知っていたことなのかもしれない。
翔子はそこに興味はなかったのかもしれない。
でも、私は増田君の両親のその後についてずっと聞きたかった。
でも、怖くて聞けなかった。
永家不動産が所有する土地に建った大きなデパート、“巨大なモンスター”に食べられた増田君の家。
私は怖くて聞けなかった。
私は永家結子だから、怖くて聞けなかった。
でも、この“雪枝”はサラッと聞いた。
他の幼馴染み達もきっと怖くて聞けなかったようなことなのに、雪枝はサラッと聞いた。
まるで、いつの間にか雪が降ってきたかのようだった。
このカラフルで夢がいっぱい詰まった世界に、いつの間にか真っ白な雪を舞い落としてきたかのようだった。
やっぱり、私とは全然違う。
私とはこんなにも違う。
そう思いながら俯いていると・・・
「前を向いてろ、結子。
下なんて向いてたら何も見えないだろ。」
和が力強い声でそう言った。
「うん・・・。」
ゆっくりとだけど、顔を上げる。
「しっかりと見ろ、目を逸らすな。」
「うん・・・。」
顔を上げると、見えた。
みんなが不思議そうな顔で和と私のことを見ているのが。
でも、その顔には強さがある・・・。
ここのみんなは強さがある・・・。
“巨大なモンスター”と戦えるだけの強さが、ここのみんなにはある。
それに今日も愕然としていると、“キミヨ”が口を開いた。
「いとこって結婚出来るんだっけ?
2人って付き合ってるの?」
“キミヨ”のそんな言葉には幼馴染みの女の子達は何度も頷いている。
それには困った顔で笑ってしまう。
「それ、中学の頃から散々言われたんだよ!!
いとこなんて家族だろ、マジで!!
しかも顔が俺の妹と同じ顔過ぎて怖い!!」
「それに和、好きな女の子いるからな?」
増田君の言葉に女の子達がピクリと前のめりに動いた。
母さんは美容部員として働いてて、父さんは何か色々と働いてる。」
和は知っていたことなのかもしれない。
翔子はそこに興味はなかったのかもしれない。
でも、私は増田君の両親のその後についてずっと聞きたかった。
でも、怖くて聞けなかった。
永家不動産が所有する土地に建った大きなデパート、“巨大なモンスター”に食べられた増田君の家。
私は怖くて聞けなかった。
私は永家結子だから、怖くて聞けなかった。
でも、この“雪枝”はサラッと聞いた。
他の幼馴染み達もきっと怖くて聞けなかったようなことなのに、雪枝はサラッと聞いた。
まるで、いつの間にか雪が降ってきたかのようだった。
このカラフルで夢がいっぱい詰まった世界に、いつの間にか真っ白な雪を舞い落としてきたかのようだった。
やっぱり、私とは全然違う。
私とはこんなにも違う。
そう思いながら俯いていると・・・
「前を向いてろ、結子。
下なんて向いてたら何も見えないだろ。」
和が力強い声でそう言った。
「うん・・・。」
ゆっくりとだけど、顔を上げる。
「しっかりと見ろ、目を逸らすな。」
「うん・・・。」
顔を上げると、見えた。
みんなが不思議そうな顔で和と私のことを見ているのが。
でも、その顔には強さがある・・・。
ここのみんなは強さがある・・・。
“巨大なモンスター”と戦えるだけの強さが、ここのみんなにはある。
それに今日も愕然としていると、“キミヨ”が口を開いた。
「いとこって結婚出来るんだっけ?
2人って付き合ってるの?」
“キミヨ”のそんな言葉には幼馴染みの女の子達は何度も頷いている。
それには困った顔で笑ってしまう。
「それ、中学の頃から散々言われたんだよ!!
いとこなんて家族だろ、マジで!!
しかも顔が俺の妹と同じ顔過ぎて怖い!!」
「それに和、好きな女の子いるからな?」
増田君の言葉に女の子達がピクリと前のめりに動いた。
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