【完】好き好き大好きの嘘

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「増田がいた商店街の奴らなのか。
それも同じ年の奴ら全員とか、よく全員でここに受かったな。」



始業式が終わりみんなで集まると和がそう言って、“雪枝”のことをジッと見詰めた。



「きみが雪枝？」



「うん、そうだけど。」



「なるほど。」



見て分かるくらいに、和もこの子が“雪枝”だと分かった。
それから“駿”の方も見て・・・



「どっちが全員をここに合格させたんだよ？」



「私。」「俺。」



「私がここに行こうって昔から言ってたんじゃん！！！」



「その為の受験対策してたの俺だし！！
勉強だって俺がみんなに教えてた！！」



「私だって教えてたもん！！」



「雪枝にも俺が教えてた！！」



「駿に私が教えたこともあるもん！！」



犬猿の仲だという2人がそんなやり取りを繰り広げ、増田君と和は大笑いしていた。
でも私は笑えなかった。
なにも、笑えなかった。



だって、あまりにも違うから。



私とはあまりにも違う女の子だったから。



弱者ではない女の子なのだと、分かったから。