【完】好き好き大好きの嘘

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「おお、和か。」



的場和男という同じ歳の従兄がいることは知っていた。
でも、突然現れた的場和雄に驚いているとクソジジイが急に見たこともない顔で笑った。



それには息をするのも忘れ驚いていると、的場和雄はテキパキとテーブルを戻し・・・



散らかった料理を片付けていく。



そんな中で、的場和雄が私達を見上げてきた。



「俺、片付けとか苦手なんだよな！！
手伝って！！！」



と、私達に手伝いするよう求めてきて、それには私は怒りながら口を開いた。



「これはこのクソジジイがやったことだから！！
なんで私達が片付けないといけないの！？」



「なんでって・・・。」



的場和雄が不思議そうな顔で私と結子のことを見詰めてくる。



「ばあちゃんがこれを見たら悲しむだろ？
孫が来るからと思ってこんなにご馳走を作って、それを自分の夫がやったとはいえこんなに滅茶苦茶になった所を見たら悲しむだろ？」



的場和雄がそう言うと、私に抱き締められていた結子が静かに動き出した。
それに驚いていると、結子はゆっくりとしゃがみ、おばあちゃんが作ってくれていた料理を的場和雄と一緒に片付け始めた。



的場和雄と結子が片付けていく光景を見て私も渋々しゃがみ、滅茶苦茶になったおばあちゃんの料理を片付けていく。



おばあちゃんのことは大好きだし・・・。



それに、結子が手伝うなら私も結子の為に手伝いたいし・・・。



私達のことをふんぞり返って見ているクソジジイには怒りの感情しかないけれど、それでも3人で黙々と片付け続けた。