【完】好き好き大好きの嘘

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お父さんとお母さんから、私はそうやって育てられてきた。
だから私はいつだって男の子みたいな服にズボン、スニーカーとポニーテール。



結子と色んな勉強もさせられ、その知識は結子の為だけに使った。
結子と交換っこをする時の為に。
結子と同じ知識がなければ交換っこが出来ないから。



結子は弱い弱い女の子で、女の子らしさしかないような女の子で。
息苦しそうに下を向く結子の為、私は結子にたまに“翔子”にさせていた。
毎日毎日毎日、あんなドレスと靴、髪型なんて、それは歩くのも息苦しくなるのは分かるから。



私は結子を守る為に生まれてきた。



私は結子を守る為だけに育てられてきた。



そう思いながら、小学校6年生、今日もまたこの危険人物と対峙していく。



「ちゃんと俺の目を見て話せ！！！
そんなつまらなそうな顔で！！
そんなボソボソと喋って！！！
1度も目を合わすことなく喋るなんて、お前はどんな教育を受けてきてるんだ！！！
少しは笑ってみせろ！！！
そうじゃなきゃ男から可愛がってもらうことなんて出来ないんだぞ！！？」



私には1番の強敵が生まれた時から存在していた。
それがこのクソジジイ。
結子にこんな攻撃をしてくるクソジジイ。
月に何度もこのクソジジイの家に2人で呼びつけられこんな攻撃をしてくる。



それに今日も下を向いて泣いている結子の右手を強く握り、私はこのクソジジイに口を開く。



「そんな要望を出してくるなら少しは良いおじいちゃんになったら？」