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ダッシュで街の中を走り・・・
走り・・・
いつもの牛丼屋も通りすぎる・・・。
拳との思い出の牛丼屋も通りすぎる・・・。
私は、大親友だった・・・。
私は大親友だった・・・。
そんなの知ってた。
そんなの分かっていた。
あの頃はそれが嬉しいと思っていた。
“大親友”・・・
それ以上に何があるのかよく分からなかったから・・・。
“付き合う”という言葉は知っていたけど、付き合った2人がどう変わるのかよく分からなかったから・・・。
でも、今はもう知っている。
同級生の男女で付き合っている子もいるし、友達でもいる。
それに・・・色々と早い子からはそういう話も聞いている・・・。
でも・・・
私は拳と付き合いたいとか、想いを伝えたいとか、そんなことは考えたこともなかった・・・。
考えたこともなかった・・・。
だって、考えないようにしていたから・・・。
私は女が少ないし・・・
少なすぎるし・・・
拳の“大親友”だし・・・。
拳からもそう言われているし・・・。
それでいいと思っていた。
それでいいと思おうとしていた。
だから・・・
だから・・・
言わないで欲しかった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんに会いに来たついでに私にも会ったのだと、知りたくなった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんの裸を見たと、知りたくなかった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんは唐揚げまで上手だと、知りたくなった・・・。
私はこんな感じなのに・・・。
私はこんな感じなのに・・・。
こんな・・・
こんな・・・
女でも男でもないような・・・
人間かも怪しいような・・・
猿みたいな生き物なのに・・・。
家に帰りすぐに捨てようとした拳からのお土産。
でも・・・捨てる前に1度だけ開いてみてしまったお土産。
そこには黒い手鏡が入っていた。
そして、その手鏡には映っていた。
猿みたいな生き物が、映っていた・・・。
“少しは女の子らしくなってるのかと思ったら全然変わってない”
頭の中で拳からの言葉が響く・・・。
拳からの”口撃”が、響く・・・。
重い重い、“口撃”だった・・・。
苦しすぎて・・・
痛すぎて・・・
悔しすぎた・・・。
だから、泣いた・・・。
声を出して・・・
床に投げつけた黒い手鏡を見下ろしながら、泣いた・・・。
会いたくなかった・・・。
会わなければよかった・・・。
そしたら、知らずに済んだのに・・・。
拳が恋愛をしていると・・・。
付き合っているめちゃくちゃ美人なお姉さんがいると・・・。
猿みたいな私をバカにしたような顔で笑っていたと・・・。
そんな拳が・・・
そんな拳が・・・
私はこんなにも、大好きなのだと・・・。
女は拳から取られたはずなのに。
だからあんな風に“口撃(こうげき)”をしてしまったはずなのに。
それなのに、私はまだこんなにも拳が大好きで・・・
大好きで・・・
大好きで・・・
大好きで・・・
大好きを追究してしまっているのだと、知らずに済んだのに・・・。
走り・・・
いつもの牛丼屋も通りすぎる・・・。
拳との思い出の牛丼屋も通りすぎる・・・。
私は、大親友だった・・・。
私は大親友だった・・・。
そんなの知ってた。
そんなの分かっていた。
あの頃はそれが嬉しいと思っていた。
“大親友”・・・
それ以上に何があるのかよく分からなかったから・・・。
“付き合う”という言葉は知っていたけど、付き合った2人がどう変わるのかよく分からなかったから・・・。
でも、今はもう知っている。
同級生の男女で付き合っている子もいるし、友達でもいる。
それに・・・色々と早い子からはそういう話も聞いている・・・。
でも・・・
私は拳と付き合いたいとか、想いを伝えたいとか、そんなことは考えたこともなかった・・・。
考えたこともなかった・・・。
だって、考えないようにしていたから・・・。
私は女が少ないし・・・
少なすぎるし・・・
拳の“大親友”だし・・・。
拳からもそう言われているし・・・。
それでいいと思っていた。
それでいいと思おうとしていた。
だから・・・
だから・・・
言わないで欲しかった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんに会いに来たついでに私にも会ったのだと、知りたくなった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんの裸を見たと、知りたくなかった・・・。
めちゃくちゃ美人なお姉さんは唐揚げまで上手だと、知りたくなった・・・。
私はこんな感じなのに・・・。
私はこんな感じなのに・・・。
こんな・・・
こんな・・・
女でも男でもないような・・・
人間かも怪しいような・・・
猿みたいな生き物なのに・・・。
家に帰りすぐに捨てようとした拳からのお土産。
でも・・・捨てる前に1度だけ開いてみてしまったお土産。
そこには黒い手鏡が入っていた。
そして、その手鏡には映っていた。
猿みたいな生き物が、映っていた・・・。
“少しは女の子らしくなってるのかと思ったら全然変わってない”
頭の中で拳からの言葉が響く・・・。
拳からの”口撃”が、響く・・・。
重い重い、“口撃”だった・・・。
苦しすぎて・・・
痛すぎて・・・
悔しすぎた・・・。
だから、泣いた・・・。
声を出して・・・
床に投げつけた黒い手鏡を見下ろしながら、泣いた・・・。
会いたくなかった・・・。
会わなければよかった・・・。
そしたら、知らずに済んだのに・・・。
拳が恋愛をしていると・・・。
付き合っているめちゃくちゃ美人なお姉さんがいると・・・。
猿みたいな私をバカにしたような顔で笑っていたと・・・。
そんな拳が・・・
そんな拳が・・・
私はこんなにも、大好きなのだと・・・。
女は拳から取られたはずなのに。
だからあんな風に“口撃(こうげき)”をしてしまったはずなのに。
それなのに、私はまだこんなにも拳が大好きで・・・
大好きで・・・
大好きで・・・
大好きで・・・
大好きを追究してしまっているのだと、知らずに済んだのに・・・。
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