【完】拳に愛を込めて(カットページ掲載済2023.4.30、詳細は内容欄に記載)

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
146 / 295
9

9-5

しおりを挟む
「変なのって?お化け?」



「いや、お化けではないけど・・・。
何か変なの見えるんだよね。」



「お化けじゃん・・・。
それ多分お化けじゃん・・・。」



私がそう言って少し怯えると、拳が笑った。



「お化けは怖いの?」



「だってパンチしてもキックしても意味ないじゃん。
お化けとどうやって戦うの?」



「そんなことされたらお化けも驚くんじゃない?」



拳が肩を震わせながら笑っていて、それから私の胸の辺りをチラッと見てきた。



「必ず見えるわけじゃないんだけどね。
でも・・・見える人は良い人が多い。
“持ってる”人だからだって、妙を見てやっと理解した。」



「持ってるって?」



「“自分”を持ってる人。」



意味が分からず拳を見ると、拳は面白そうな顔で私を見てきた。



「妙、凄いの持ってるよ。
そっちが気になりすぎて顔もよく見てなくて、髪の毛も短いから男の子なのかと思ってたくらいで。
しばらくして顔見てみたら女の子みたいな顔にも見えるし、そういえば“妙”だなって思って。」



「私、何持ってるの?何見えるの?」



男の子に間違われていたことなんて気にならない。
こんな見た目になってから学校に行ったら、男子達から毎日のように“男”だの“猿”だの言われているから。



何が見えるのかの方が気になっていたら・・・



何故か拳が少し照れた顔になった。



「いや・・・俺から言うのは恥ずかしいから言えない。」



「なにそれ・・・?
なんかエッチなやつとか・・・?」



「・・・いや、そういう系じゃなくて。
でも・・・うん、こんなの持ってる人見たことないし・・・。
なんか日に日に大きくなってるし・・・。
なんか・・・俺が恥ずかしくなってくる。」



そんなことを言われ余計気になったけど教えてくれなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...