4 / 19
1
1-4
しおりを挟む
“分かったよ”、とは言ったけれど・・・
「アント殿下・・・っ」
私をベッドに優しく寝かせたクレアン・・・アント殿下が私に覆い被さってきた。
アント殿下とのこんな距離には緊張してしまう。
大きく大きく悲鳴を上げていく胸の音を聞きながら、私は両手でアント殿下の胸を押す。
そしたら、見えた。
私の綺麗な両手が。
アント殿下が纏っている炎のような光りの中、私の両手がよく見えた。
元奴隷だった私の両手はこんなにも綺麗になった。
この王宮の中に入り3年も経ったことがこの綺麗な両手を見ると嫌でも認識する。
「アンナ。」
アント殿下が優しい声で私の名前を呼ぶ。
優しい声で、優しい顔で、優しい力で、私の両手を大きな手で包み込んだ。
その大きな手を見ながらアント殿下の胸から両手をゆっくりと離すと、アント殿下の身体が私の身体の表面に密着した。
それだけのことで私の呼吸が乱れ、この胸が悲鳴を上げる。
「怖い・・・。」
自分の身体がこんな状態になることが怖いと思ってしまい、思わず“怖い”という言葉が口から漏れた。
「アンナ、力抜け。
足、開いて。」
「待って、入れないで・・・っ」
「まだ入れない。
だから足開け。」
アント殿下に太ももを触れられるけれど、ガチガチに緊張している太ももは私の言うことを聞かない。
「タリスに・・・タリスに代わって貰いたい・・・。」
「お前が妊娠しないでタリスが妊娠したとしてもタリスは子どもを産むことは出来ない。
妻はお前だ、アンナ。」
「こんなことまでしないといけないなんて、聞いてない・・・。」
「知ってたら正室にならなかった?」
「うん・・・。」
頷いた私にアント殿下は瞳を少しだけ揺らし、ソッと私のことを抱き締めてきた。
そして、私の首筋に顔を埋め・・・
「ちゃんと慣らしてから入れる。
お前が強欲王、ユニザレスと繁殖行為をすることだけは避けたい。」
そう言われ・・・
それには頷きながらガチガチの太ももを無理矢理にでも開き、アント殿下の身体が私の身体の中心に近付くことを許せた。
「姫。」
アント殿下が優しくも深い声で私のことを“姫”と呼んだ。
そしてスルリと私の身体の中心に身体を密着させ、私の首筋から顔を上げて私のことをまた見詰めてくる。
「陛下から“鼠の繁殖行為は禁止している”と言われたから、王族の義務でもある初夜だけ姫と子作りをしたけどな。
陛下から鼠が子作りをすることも了承を貰えたようでよかった。
これからは毎夜子作りをしような。」
少し大きな声でアント殿下がそう言って、それでユニザレスがこの部屋の様子を伺いに来たのだと分かった。
繁殖行為をする相手がユニザレスだなんて、私がユニザレスに手を掛け謀反となってしまうことは簡単に想像が出来る。
この国では如何なる理由でも国王を殺めれば謀反となってしまう。
私のことを“アンナ”という名前ではなく“姫”と呼んだアント殿下を見詰め返しながら、答えた。
「アント殿下と子作りが出来るなんて夢みたい。
ずっとアント殿下との子どもが欲しかったから凄く嬉しい。」
“皇子”にそう言った。
本当に思っていることを言った。
「アント殿下・・・っ」
私をベッドに優しく寝かせたクレアン・・・アント殿下が私に覆い被さってきた。
アント殿下とのこんな距離には緊張してしまう。
大きく大きく悲鳴を上げていく胸の音を聞きながら、私は両手でアント殿下の胸を押す。
そしたら、見えた。
私の綺麗な両手が。
アント殿下が纏っている炎のような光りの中、私の両手がよく見えた。
元奴隷だった私の両手はこんなにも綺麗になった。
この王宮の中に入り3年も経ったことがこの綺麗な両手を見ると嫌でも認識する。
「アンナ。」
アント殿下が優しい声で私の名前を呼ぶ。
優しい声で、優しい顔で、優しい力で、私の両手を大きな手で包み込んだ。
その大きな手を見ながらアント殿下の胸から両手をゆっくりと離すと、アント殿下の身体が私の身体の表面に密着した。
それだけのことで私の呼吸が乱れ、この胸が悲鳴を上げる。
「怖い・・・。」
自分の身体がこんな状態になることが怖いと思ってしまい、思わず“怖い”という言葉が口から漏れた。
「アンナ、力抜け。
足、開いて。」
「待って、入れないで・・・っ」
「まだ入れない。
だから足開け。」
アント殿下に太ももを触れられるけれど、ガチガチに緊張している太ももは私の言うことを聞かない。
「タリスに・・・タリスに代わって貰いたい・・・。」
「お前が妊娠しないでタリスが妊娠したとしてもタリスは子どもを産むことは出来ない。
妻はお前だ、アンナ。」
「こんなことまでしないといけないなんて、聞いてない・・・。」
「知ってたら正室にならなかった?」
「うん・・・。」
頷いた私にアント殿下は瞳を少しだけ揺らし、ソッと私のことを抱き締めてきた。
そして、私の首筋に顔を埋め・・・
「ちゃんと慣らしてから入れる。
お前が強欲王、ユニザレスと繁殖行為をすることだけは避けたい。」
そう言われ・・・
それには頷きながらガチガチの太ももを無理矢理にでも開き、アント殿下の身体が私の身体の中心に近付くことを許せた。
「姫。」
アント殿下が優しくも深い声で私のことを“姫”と呼んだ。
そしてスルリと私の身体の中心に身体を密着させ、私の首筋から顔を上げて私のことをまた見詰めてくる。
「陛下から“鼠の繁殖行為は禁止している”と言われたから、王族の義務でもある初夜だけ姫と子作りをしたけどな。
陛下から鼠が子作りをすることも了承を貰えたようでよかった。
これからは毎夜子作りをしような。」
少し大きな声でアント殿下がそう言って、それでユニザレスがこの部屋の様子を伺いに来たのだと分かった。
繁殖行為をする相手がユニザレスだなんて、私がユニザレスに手を掛け謀反となってしまうことは簡単に想像が出来る。
この国では如何なる理由でも国王を殺めれば謀反となってしまう。
私のことを“アンナ”という名前ではなく“姫”と呼んだアント殿下を見詰め返しながら、答えた。
「アント殿下と子作りが出来るなんて夢みたい。
ずっとアント殿下との子どもが欲しかったから凄く嬉しい。」
“皇子”にそう言った。
本当に思っていることを言った。
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる