【完】秋の夜長に見る恋の夢

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扉を開けたのは研究本部長だった。



研究本部長はニコニコと優しい笑顔で副社長の椅子に座る私を見た後、すぐに武蔵に視線を移した。



「矢田、急ぎで確認してもらいたいんだけどいいかな？」



武蔵が研究本部長に頷いた後に私の方を向いた。
そんな武蔵に私は笑いながら頷く。



そしたら、研究本部長が・・・



「小町ちゃん、立派になって。」



と・・・。



それには少し恥ずかしくなって、照れながら頷いた。



頷いた・・・。



研究本部長に・・・。



中岡本部長に・・・。



透のお父さんであり、私のお父さんのお兄さんであり、私のオジさんに・・・頷いた。



武蔵の夢を見て驚いた。
武蔵は幼い頃から、私のオジさんから新薬を作り出せる研究職になる為の勉強をさせられていた。



そして、武蔵のお父さんからは戦の戦い方を。



私のオジさんと武蔵のお父さんは、私のお母さんの婚約者候補だった。
そんな2人から武蔵は幼い頃から英才教育を施されていた。
加賀家の真の主、その相手となる為にこの2人も英才教育を受けていた。
そんな2人から、英才教育を・・・。



「加賀の天才は、現代でも語り継がれる剣豪の名の通りだな。」



武蔵が出ていった扉を眺めながら隼人がそう呟いた。