【完】秋の夜長に見る恋の夢

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「私の婚約者が矢田さんだって気付いたの？」



それには驚き米倉さんに聞くと、米倉さんは可愛い顔をニヤニヤとしながら何度も頷いている。



「研究室の人達、多分皆気付いてますよ？
竹之内だって気付いてたくらいですし。」



「え・・・！？そうなの？」



「他所さまの恋愛にそこまで興味がある人達ではないので“へぇ～”くらいの感じですけど、私は気になっちゃうタイプで！！」



研究室の人達に気付かれていたことに全く気付かないのは、全員がそこまで興味がないかららしい。
それには面白くて笑っていたら、米倉さんも面白そうに笑った。



「だって、いつもお世話される側の矢田さんが小町さんには一生懸命お世話しててすぐに気付いちゃいますよ！」



それには首を傾げてしまった。



「私、矢田さんにお世話されてた？」



「めちゃくちゃされてましたよ？
お昼休みに小町さんが寝てると、矢田さんが何度も何度も見て時間ギリギリに起こしてあげていたり。
歓迎会の時なんて小町さんがテーブルに突っ伏しちゃった瞬間に隣の席に移動しちゃって、何度も何度も気に掛けてて！！」



「それは・・・知ってるけど・・・。」



それは武蔵の夢で見たから知っていた・・・



「フラッフラに酔っ払っていた小町さんを支える感じとか、矢田さんが凄く自然に身体に触れていたので全員それには驚いてました！！
矢田さんって昔モテてたらしいですけど、私が知る限り女の人には一切興味のない感じの人だったので！！」



その言葉には苦笑いで・・・。
武蔵の夢で知ったのだけど、酔っていたし身体に触れられたことはないと思っていたけれど、ここでも私は武蔵にしっかりと触れられていた。