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さっきから驚くしかないことの連続で、これには何も言えなくなる。
そんな私を社長のデスクに着いたお母さんが真っ直ぐと見詰めてくる。
「私から話すわね。
加賀家、そして加賀製薬の主である私から。」
「お母さんが・・・主だったの?」
「そうよ、だって1人しか産まれないからね。
加賀の本家には古くから女の子が1人しか産まれない。
その女の子が加賀家、そして加賀製薬の主なの。」
「それは考えもしなかった。
研ぎ澄まされた器で考えても、それは考えつかなった。」
私がそう答えると、お母さんは威厳のある笑顔で笑った。
「昨晩はよく眠れたの?」
「眠れた。」
「そう、とても良い状態だからね。
武蔵君の部署に異動させて正解だったわね。」
「お母さんが異動させたの・・・?」
「そうよ、他に誰がいるの?」
お母さんが面白そうに笑ってから隣で号泣している父親を・・・父親というか“お父さん”を見上げた。
「お父さんは元々は加賀製薬の営業職だったからね、それも根性と愛嬌だけで売上を上げていた人で。
頭が切れるタイプではないから。」
そう言った後、お母さんは困った顔で武蔵の方を見た。
「大変だったわね、小町。
“武蔵”という名の通りの剣豪を相手に、よく勝ち取ったわね。」
そんな私を社長のデスクに着いたお母さんが真っ直ぐと見詰めてくる。
「私から話すわね。
加賀家、そして加賀製薬の主である私から。」
「お母さんが・・・主だったの?」
「そうよ、だって1人しか産まれないからね。
加賀の本家には古くから女の子が1人しか産まれない。
その女の子が加賀家、そして加賀製薬の主なの。」
「それは考えもしなかった。
研ぎ澄まされた器で考えても、それは考えつかなった。」
私がそう答えると、お母さんは威厳のある笑顔で笑った。
「昨晩はよく眠れたの?」
「眠れた。」
「そう、とても良い状態だからね。
武蔵君の部署に異動させて正解だったわね。」
「お母さんが異動させたの・・・?」
「そうよ、他に誰がいるの?」
お母さんが面白そうに笑ってから隣で号泣している父親を・・・父親というか“お父さん”を見上げた。
「お父さんは元々は加賀製薬の営業職だったからね、それも根性と愛嬌だけで売上を上げていた人で。
頭が切れるタイプではないから。」
そう言った後、お母さんは困った顔で武蔵の方を見た。
「大変だったわね、小町。
“武蔵”という名の通りの剣豪を相手に、よく勝ち取ったわね。」
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