【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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これにはもう苦笑いしか出来なかった・・・。



「そうなんだ。」



「うん・・・。
婚約者と・・・親が決めた相手とだけ、そういうことはするつもりだったから・・・。」



「そうなんだ。」



なかったことにしたのだと改めて分かった。
小町は翌朝、いつも何事もなかったかのように振る舞ったいた。
だからそれは分かっていたけど、今改めて悲しいくらいに分かった。



あまりにも苦しくて、屋敷までの道を早足で歩き始める。



「武蔵・・・私、私・・・」



小町が後ろをついてきて、まだ何かを言おうとしている。



そして・・・



「私も・・・エッチしたい・・・。
エッチ、したい・・・。」



そんなことを言った・・・。



俺以外の人となんて子作り出来ないと言っていた小町が、そんなことを言った・・・。



婚約者に誘われたのかもしれない・・・。
そういうことをしようと誘われたのかもしれない・・・。
だから俺にわざわざ言ってきたのか・・・。
“あの夜”俺にそう言ってしまったから、わざわざ婚約者とのその報告をしようとしているのか・・・。



聞きたくなかった・・・。
そんなの聞きたくも知りたくもなかった・・・。



小町はするのかもしれない・・・。



婚約者とそういうことを・・・。



俺は得意ではなかったそういうことを、婚約者とする・・・。



そして、完全に知られてしまう・・・。



25歳だった俺が19歳の小町を夢中で・・・ただ夢中で抱いてしまったことを・・・。



よく覚えていないくらいに・・・
ただ夢中で抱いてしまったことを・・・。



どんな人なんだろう・・・。



とんな人なんだろう・・・。



俺以外の人となんてしたくないと言っていた小町をその気にさせてしまうくらい、そういう面も凄い人なのかもそれない・・・。



嫌だった・・・。



嫌だった・・・。



まだ、終わってないから・・・。



俺はまだ終わらせていないから・・・。



まだ、戦っているから・・・。



だから・・・



だから・・・



俺は承諾なんて出来ない・・・。



出来ない・・・。



でも・・・



「そういうこと、外で言うのは止めようね。」



ただの居候の俺には、そんな言葉でしか止めることは出来ない・・・。



居候の俺には、止めることは出来ない・・・。



薬を創るしかない・・・。



俺は薬を創るしか、ない・・・。



俺は、剣豪といわれる宮本武蔵のように多才ではないのだから・・・。
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