【完】秋の夜長に見る恋の夢

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「お父さんがお昼ご飯を皆で食べに行こうって言ってるよ？」



俺がそう言うと、美人な顔の作りをした女子高生があまりにも驚いた顔をしている。
その顔を見て・・・自己紹介がまだなことにやっと気付いた。



「俺は矢田武蔵。
お父さんの友達の矢田って知ってるかな？
その息子なんだよね。」



「矢田さん、知ってる・・・。
お父さんの高校からの友達で、矢田さんと相川さんの3人組だったって。
相川さんは来たことがないけど、矢田さんは何回かうちにも来てた。」



女子高生がそう答えたかと思ったら、急に素早く起き上がった。



そして、その姿にはまた笑ってしまう。
上のパジャマはしっかりとズボンのお腹の中に入っていて、長い髪の毛はボッサボサだった。



「矢田さんも来てるの？」



そう聞きながらクローゼットを開けた女子高生には本当に面白くて。



そんな姿でテキパキと服を取り出していて、今にも俺の前で着替えを始めてしまいそうな勢いすら感じるから。



「後でまた話そうね。
いくらお父さんから起こすのを頼まれたからとはいえ、24歳のオジサンが女子高生の着替えを見ながら話せないからね。」



「・・・着替えないから！！
着替えを持って洗面所に行こうしてたの！！
シャワーを浴びてスッキリしないと目が覚めないの！！！」



「女子高生凄いね、こんなお昼まで寝てまだ眠いんだ？
夜更かししてるの？」



「寝るのが大好きなのにそんなわけないでしょ！！
毎日夜の10時には寝てる！！」



その答えには純粋に驚く・・・。



「13時間も寝てたってこと？
社長の娘さんなのに驚いたよ。
寝てる間に殺されるとか言われてそうなのに。」



13時間も寝ていたこと。
そして、俺の父さんと同じようなことをよく言っている社長が・・・。
自分の娘となると13時間も寝かせていることに。