【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

文字の大きさ
上 下
131 / 235
11

11-3

しおりを挟む
24歳 11月



「ぜっっったいに嫌だ!!!!」



小学校6年生の拳の叫び声が我が家に今日も響く。



「何で人1人入社させる為にお父さんが飛ばされるの!?」



「とんでもない奴から頼まれたとんでもない奴だったからね。
拳も見ればすぐに納得するくらいだよ。」



「見ても納得出来るわけないから!!
・・・じゃあ、俺も東京に残る!!
お兄ちゃんと一緒にオジサンの家でお世話になる!!!」



父さんが支社に飛ばされることが決まってから、毎日のようにこのやり取りを拳と繰り返されている。



「小学生の子どもを、友達の家とはいえそこに残せないからね。」



「大丈夫だって!!
俺お兄ちゃんより手掛かんないし!!」



そこで毎回父さんも母さんも大笑いする。
それには俺も苦笑いで。
本当にその通りだから。



「それに加賀からは、拳がある程度大きくなるまでは屋敷に来させないようにって言われてるんだよ。」



今日はそんな新情報を父さんが口にした。



「・・・何で?」



「今高校3年生の娘さんがいるんだよね。」



「え・・・だから?」



「美人な子だからね、小学6年生の拳が好きになると困るんじゃない?」



「はあ?」



拳が呆れた声を上げた。



「そんな意味不明な心配してる所がマジでタンポポだよね。」



「それはタンポポとは違うんじゃないか?」



何故かそんな不思議なやり取りでこの話はそれ以来されることなかった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

好きな事を言うのは勝手ですが、後悔するのはあなたです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:355pt お気に入り:2,138

同居離婚はじめました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:209

我慢するだけの日々はもう終わりにします

恋愛 / 完結 24h.ポイント:717pt お気に入り:5,966

婚約破棄?ほーん…じゃあ死にますね。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:96

身から出た錆とはよく言ったもので

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:362pt お気に入り:1,600

【完】幼なじみの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:12

処理中です...