【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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「武蔵・・・。」



俯いたまま武蔵を呼んだ。
掠れた声で、呼んだ・・・。



そして・・・



勢いよく立ち上がり、スーツを脱いでいく。



スーツのまま寝てしまっていた、シワだらけになったスーツを脱いでいく。



武蔵のことは見ずに脱いでいく。



ブラウスもブラジャーも、パンツも・・・。



右手も左手も失ったので身体も隠せない。
隠さない。



ここは、私だけの屋敷。



加賀はない。ここには加賀はない。



ただの小町が言う。



最後の最後に・・・。



もう討ち取られているけれど、最後の最後に。



心臓が止まる直前に、最後の攻撃をする・・・。



私の裸を見ても何も動じていない武蔵に・・・



31歳の衰えた女の裸など見ても何も動じていない武蔵に・・・



「武蔵・・・エッチしてほしい・・・。」



泣きながら・・・



でも、笑いながら・・・



言う・・・



「31歳になって衰えたけど・・・。
私の身体の美しさは衰えたけど・・・。
でも、誰にも触れられたことはないから・・・。
きっと・・・きっと・・・31歳にしては綺麗な方だから・・・。
私は・・・誰ともそういうことをしてないから、きっと・・・綺麗な方だと思うから・・・。」



最後の最後に・・・。



もう、これ以上はない・・・。



これ以上は何もない・・・。



本当に本当の、最終手段・・・。



そんな私の最終手段に・・・



武蔵が困ったように笑って・・・



困ったように笑って・・・




















「その茶番、まだ続けるの?」







そう、言った・・・。






小町side.......
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