【完】秋の夜長に見る恋の夢

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そして、武蔵の部屋の前についてしまった。
何も言えないまま、ついてしまった。



ここ数ヶ月はずっとこんな感じで。
武蔵は私の顔も見てくれることもなくなっていて。
話も前よりはしなくなっていて。



衰えてしまったから・・・。
私は30歳になって衰えてしまったから・・・。



こんな衰えた女だと見てくれることもなくなってしまった・・・。



こんな衰えた女とは話してもくれなくなってしまった・・・。



衰えたうえに可愛くもない・・・。



衰えたうえにツンケンしている・・・。



そう今日も思いながら、武蔵が部屋の扉に手を掛けるのを眺めていた。



そしたら・・・



「噂になってるみたいだけど、嘘だから。」



久しぶりに、武蔵から話してくれた・・・。