【完】秋の夜長に見る恋の夢

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そして、午前中の大学を休んで隼人が勤める会社・・・相川薬品の大きな大きなビルの前に。



「来たか、加賀の悩めるお嬢様。」



「ねぇ、全然笑えないから。」



隼人を睨みながらそう言うと、隼人は楽しそうに大笑いしている。
そんな隼人と並びながら相川薬品のビルの中に入っていく。



「私は加賀製薬の社長の娘なのに入って大丈夫なの？」



「小町のお父さんには連絡しておいた。
その後、小町のお父さんがうちのトップに話をつけてくれたから。」



「うちのトップ・・・？
うちのトップって・・・。」



私は驚きながら隼人を見上げる。
隼人は何かを企んでいるような顔で笑っていて・・・。



「俺も出世したいからな！！
小町のお父さんから相川社長とは友達って昔聞いたことがあったんだよ。
このチャンスに相川社長に顔覚えてもらう！！」



「流石、先生・・・。
頭が良いことで。」



「小町のお父さんから戦い方は教わってるからな。
勝つ為なら何でもする。
どんな武器でも使ってみせる。」



そう言って歩く隼人の横顔・・・。
そこから見える目は・・・私のお父さんや武蔵の目とよく似ていた・・・。