上 下
197 / 202
12

12-17

しおりを挟む
そんなことを怒りながら言われ・・・



「言われたけど、それってプロポーズなの?」



「・・・はあ~っ!!!?
定番中の定番!!!
プロポーズ界の常識だろ!!!」



「えぇ・・・そんなプロポーズ聞いたことないよ。」



「マジで!?
確かにお前からドラマとか映画の話聞いたこともねーな!!」



「恋愛ドラマとかはたまに見てたけど、そんなプロポーズシーン見たことも聞いたこともないよ?」



「んなわけねーだ・・・」



朝人が言葉を切って、私の頬を包んでいた右手をゆっくりと下ろした。
私の頬がひんやりとしてくるのを感じていると、朝人は難しそうな顔になった。



「こんなところでも9歳差の影響が・・・。
俺達両想いらしいけど付き合って大丈夫なのか心配になるな・・・。」



「私は9歳差よりも料理の味付けの方が心配なんだけど!!
朝人と一緒に朝ご飯食べるようになったけど、私あの味付けじゃ無理!!」



「そっちは何も心配じゃねーだろ!!
ああいう食事にして2人で長生き・・・いや、やっぱりお前は味付け追加しろよ。
俺がちゃんと看取ってやりたいから。
やっぱ付き合うか!!
なんなら結婚するか、すぐ!!!
この1年同棲してたようなもんだし余裕だろ!!」



急にそんなことを言い出して、私の手を引いてまた2階への階段を上り始めた。



「2階で朝ご飯食べるの?」



「そうだな、朝飯としてお前食わないと。」



「今から?
朝ご飯の時間なくなっちゃうよ?」



「何年我慢したと思ってんだよ、朝飯よりもお前とセックスするに決まってんだろ。」



「あんなに朝ご飯に拘ってたのに。」



笑いながら、朝人の手に引かれながら歩いた。
このすれ違いは何の時間だったのかと思いながら。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

恋愛SP college

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:3

パートタイム痴漢LOVER

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:255pt お気に入り:2

爆発的な青春、約束の絶景

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:1

【完結】喪服の娼婦がその愛を知るまで

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:188

「姫」と「執事」の誕生日

恋愛 / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:3

処理中です...