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「ご飯?外食ってこと?」



「うん、外食。」



先生がそう言って、“朝1番”たった場所の扉の向こう側を指差した。



「この店の中だけじゃなくて俺とも外で飯食って欲しい。」



怖いくらい真剣な顔でそう言ってくる。
そんな先生の顔を眺めながら、私は小さく笑った。



「デートの練習ですか?
先生って本当は外でご飯なんて食べられない人ですからね。」



本当は外食が全然出来ないはずの先生が佐伯さんとご飯を食べに行くことになったのかなと思い、そう聞いた。



聞いた私に先生は一瞬だけ無言になり、でもすぐに笑いながら何度も頷いた。



「そうだな、練習。
俺が外でも色々食べられるようになる為に付き合って欲しい。」



「うん、いいですよ。」



先生と外でも会えるなら、どんな理由でも良いと思った。
まずはどんな理由でもいい・・・。



私の返事に先生は安心したように笑い、それけらポケットからお財布を出して・・・



そこから・・・



何枚あるのかも分からない札束を私に差し出してきた。



「明日も仕事があるけど夜には終わらせる。
これで可愛い服でも買って、それ着て来いよ。
今お前が着てる服はお前には似合わない。
それにそんな安物の服より、もっと高い服選んでこいよ。」



先生がそう言って・・・そんなことを言ってきて・・・。



私は泣きそうになるのを我慢しながら先生から視線を逸らした。



「私は先生からそんなお金を貰えるような関係でもないし、先生の為に可愛い格好をするような関係でもないから。
女の子が頑張ってお洒落をした格好をバカにするとか、先生って本当に口悪い。」



文句を言ってから先生のことを見上げた。



「もうデートの時しか可愛い格好をしないことにする。」



それがいつになるのか、そんな日が訪れるかは分からないけれど、そう宣言をした。
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