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打合せ中、1度も私のことを見てくれることはなかった先生。
喋っている羽鳥さんのこともほとんど見ていなくて、先生は佐伯さんのことばかり見ていた。
「全然格好良くなかった。
23歳の若い女の子が今年32歳のオジサンとどうにかなるわけないじゃん。
新卒の女の子とどうにかなれると本気で思ってるとか気持ち悪いんだけど。」
佐伯さんのことを真っ直ぐと見詰めていた先生にそう言った。
凄く凄くムカついたので、そう言った。
「23と32なら全然アリだろ・・・。
そこまで珍しいことでもねーし。」
先生が少し悲しそうな顔でそう言って、それから私のことをバカにしたような顔で笑った。
私の身体に指を差しながら、笑った。
「ガキが一丁前にそんな格好してんじゃねーよ。
少しは大人の女になってからじゃねーと似合わねーだろ。」
そう言った・・・。
そう言われてしまった・・・。
「私がガキなら佐伯さんだってガキだから・・・。」
「中身の問題!!
・・・まあ、お前の前では佐伯さんガキだったけどな!!
お前と言い合ってる時は良い顔してたな!!」
「いつも可愛くて綺麗な顔してるから・・・。」
「な!本当にお前の10年後みたいな見た目だな!!」
「そうだよ・・・。
私は佐伯さんの10年前みたいな見た目だよ・・・。」
小さく笑いながらそう言った時、会議室の扉がノックをされ開いた。
見てみると経理部の男の先輩だった。
「あれ、佐伯ちゃんまだ残ってたんだ?」
男の先輩が私のことを“佐伯ちゃん”と呼ぶ。
いつものように、他のみんなのように、私のことを“佐伯ちゃん”と呼ぶ。
いつものように指摘しようと口を開こうとした時・・・
「千寿子。」
先生からまた私の名前を呼ばれた。
数秒前までめちゃくちゃムカついていたけれど、それだけで泣きたくなるほど嬉しいと思ってしまった。
ゆっくりと先生のことを振り向くと、先生は爽やかに笑いながらも私のことを真っ直ぐと見てきた。
「今日の夜もそっちに帰るから。」
その言葉に小さくだけど頷いた。
喋っている羽鳥さんのこともほとんど見ていなくて、先生は佐伯さんのことばかり見ていた。
「全然格好良くなかった。
23歳の若い女の子が今年32歳のオジサンとどうにかなるわけないじゃん。
新卒の女の子とどうにかなれると本気で思ってるとか気持ち悪いんだけど。」
佐伯さんのことを真っ直ぐと見詰めていた先生にそう言った。
凄く凄くムカついたので、そう言った。
「23と32なら全然アリだろ・・・。
そこまで珍しいことでもねーし。」
先生が少し悲しそうな顔でそう言って、それから私のことをバカにしたような顔で笑った。
私の身体に指を差しながら、笑った。
「ガキが一丁前にそんな格好してんじゃねーよ。
少しは大人の女になってからじゃねーと似合わねーだろ。」
そう言った・・・。
そう言われてしまった・・・。
「私がガキなら佐伯さんだってガキだから・・・。」
「中身の問題!!
・・・まあ、お前の前では佐伯さんガキだったけどな!!
お前と言い合ってる時は良い顔してたな!!」
「いつも可愛くて綺麗な顔してるから・・・。」
「な!本当にお前の10年後みたいな見た目だな!!」
「そうだよ・・・。
私は佐伯さんの10年前みたいな見た目だよ・・・。」
小さく笑いながらそう言った時、会議室の扉がノックをされ開いた。
見てみると経理部の男の先輩だった。
「あれ、佐伯ちゃんまだ残ってたんだ?」
男の先輩が私のことを“佐伯ちゃん”と呼ぶ。
いつものように、他のみんなのように、私のことを“佐伯ちゃん”と呼ぶ。
いつものように指摘しようと口を開こうとした時・・・
「千寿子。」
先生からまた私の名前を呼ばれた。
数秒前までめちゃくちゃムカついていたけれど、それだけで泣きたくなるほど嬉しいと思ってしまった。
ゆっくりと先生のことを振り向くと、先生は爽やかに笑いながらも私のことを真っ直ぐと見てきた。
「今日の夜もそっちに帰るから。」
その言葉に小さくだけど頷いた。
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