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羽鳥さんと先生の打合せが終わり、3人で先生に挨拶をしてから羽鳥さんと佐伯さんが順番に扉から出ていった。



悲しい気持ちになりながら私も扉から出ようとした時・・・



「千寿子。」



次の打合せの為に残っている先生が私のことを千寿子と呼んだ。
この会社で私のことをまたそう呼んでくれた。



さっきまでの悲しい気持ちは一瞬でなくなり勢いよく先生に振り向いた。



「お前、処女なの?」



私のことを楽しそうにバカにした顔で聞いてきて、でもそれにも笑顔で答える。
佐伯さんがいなくなりやっと私のことを見てくれた喜びの方が大きかったから。



「彼氏いたことないって言ったじゃないですか!」



「彼氏じゃない奴とだってやってる奴はやってるだろ。
お前って俺のことを誘惑してきてたくらいだし。」



「そうですね・・・。」



昔のことを思い出して恥ずかしい気持ちになりながらも先生に言った。



「私、彼女じゃなくてもエッチ出来ますから。
そういうの全然大丈夫ですから。
今日の夜、とりあえずエッチしてみませんか?」



先生と佐伯さんがどうにかなってしまう前に先に先生とエッチをしたかった。
このまま大人の女として見てもらえないまま先生が佐伯さんと付き合ってしまったら、佐伯さんの子どもの頃の見た目である私はもう二度と大人の女に見られることはないだろうから。



「佐伯さんと張り合う為に俺の下半身使ってくるなよな!!」



「違いますから・・・!!
そういうことじゃなくて!!」



「じゃあ何だよ?
俺が仕事してる姿見て惚れた?」



そう聞かれて・・・



そんなことを聞かれて・・・



私の胸が一気に冷たくなった。



「全然惚れてない。」
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