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「え、なに・・・?」
テントに押し込められ、テントの出入口も朝人が私を抱えたままサッと閉め、自然の緑は見えなくなり緑色のテントの中。
その中で朝人は私の身体に片手を回したままで。
急にこんなことになり驚いている私に、朝人が怖いくらい真っ直ぐと私のことを見詰めてくる。
「金曜日の朝、途中でやめたから消化不良だっただろ?」
「それは・・・うん・・・。」
素直に認めると、朝人は私のことをバカにしたような顔で小さく笑った。
「今日は俺が責任を持ってデートの練習してやるよ。」
「うん、ありがとう・・・。」
朝人の様子が怖いくらいギラギラしているのが分かる。
それに怖い気持ちには全くならず、むしろこんな姿を初めて見てドキドキしていると、朝人が空いていた手で私の頬を優しく覆った。
「これだけは誰にも上書きさせない。
これから先、誰にも・・・。」
朝人の顔がゆっくりと私の顔に近付いてくる。
「朝人・・・?」
「キスはした?」
「したことないよ・・・。」
私が答えると朝人は真剣な顔になって、すぐ目の前にある私の目を見詰めてきた。
「千寿子、好きだよ。」
その言葉には、驚いて・・・。
凄く凄く驚いて・・・。
固まっている私を朝人は少しだけ悲しそうな顔で笑って、また口を開いてきた。
「俺は千寿子のことがすげー好き。
千寿子以外の女なんていらないくらいめちゃくちゃ好き。」
そんな言葉を言ってくれ、それには驚いたけれど嬉しくて。
凄く凄く、凄く凄く嬉しくて。
私は泣きながら何度も頷いた。
「私も朝人のことが好き・・・。
ずっと好きだった・・・。」
「そこまで泣くなよ。」
「泣くよ・・・。」
私の言葉に朝人は悲しそうに笑って、それから私の唇を見詰めながら顔を近付けてきた。
朝人が私のことを好きになってくれた。
ちゃんと大人の女として好きになってくれた。
その事実に心臓が飛び跳ねながら喜んでいて、緊張からか少し震える両手で朝人の腕を少し掴み、朝人がキスをしてくれようとしているのを受け入れる。
受け入れようとしていた。
そしたら・・・
私の唇に触れたのは朝人の唇ではなく、朝人の親指で。
私の頬を包んでいた手、その親指を朝人と私の唇の間に置いている。
「朝人・・・?」
「気分だけでもな・・・。」
苦しそうな顔でその言葉を呟き、朝人を呼び開いていた私の口の中に、その親指をゆっくりと入れてきた。
それで分かった・・・。
やっと思い出した・・・。
練習だった。
今日は本当のデートではなくて練習だった。
だから朝人からの言葉は違った。
私のことが好きというのは、全然違った。
テントに押し込められ、テントの出入口も朝人が私を抱えたままサッと閉め、自然の緑は見えなくなり緑色のテントの中。
その中で朝人は私の身体に片手を回したままで。
急にこんなことになり驚いている私に、朝人が怖いくらい真っ直ぐと私のことを見詰めてくる。
「金曜日の朝、途中でやめたから消化不良だっただろ?」
「それは・・・うん・・・。」
素直に認めると、朝人は私のことをバカにしたような顔で小さく笑った。
「今日は俺が責任を持ってデートの練習してやるよ。」
「うん、ありがとう・・・。」
朝人の様子が怖いくらいギラギラしているのが分かる。
それに怖い気持ちには全くならず、むしろこんな姿を初めて見てドキドキしていると、朝人が空いていた手で私の頬を優しく覆った。
「これだけは誰にも上書きさせない。
これから先、誰にも・・・。」
朝人の顔がゆっくりと私の顔に近付いてくる。
「朝人・・・?」
「キスはした?」
「したことないよ・・・。」
私が答えると朝人は真剣な顔になって、すぐ目の前にある私の目を見詰めてきた。
「千寿子、好きだよ。」
その言葉には、驚いて・・・。
凄く凄く驚いて・・・。
固まっている私を朝人は少しだけ悲しそうな顔で笑って、また口を開いてきた。
「俺は千寿子のことがすげー好き。
千寿子以外の女なんていらないくらいめちゃくちゃ好き。」
そんな言葉を言ってくれ、それには驚いたけれど嬉しくて。
凄く凄く、凄く凄く嬉しくて。
私は泣きながら何度も頷いた。
「私も朝人のことが好き・・・。
ずっと好きだった・・・。」
「そこまで泣くなよ。」
「泣くよ・・・。」
私の言葉に朝人は悲しそうに笑って、それから私の唇を見詰めながら顔を近付けてきた。
朝人が私のことを好きになってくれた。
ちゃんと大人の女として好きになってくれた。
その事実に心臓が飛び跳ねながら喜んでいて、緊張からか少し震える両手で朝人の腕を少し掴み、朝人がキスをしてくれようとしているのを受け入れる。
受け入れようとしていた。
そしたら・・・
私の唇に触れたのは朝人の唇ではなく、朝人の親指で。
私の頬を包んでいた手、その親指を朝人と私の唇の間に置いている。
「朝人・・・?」
「気分だけでもな・・・。」
苦しそうな顔でその言葉を呟き、朝人を呼び開いていた私の口の中に、その親指をゆっくりと入れてきた。
それで分かった・・・。
やっと思い出した・・・。
練習だった。
今日は本当のデートではなくて練習だった。
だから朝人からの言葉は違った。
私のことが好きというのは、全然違った。
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