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「今日も悪いな、学校前に。」



家の前に立っていたジサマが今日も俺にそう言ってくる。



「全然大丈夫。マジで大丈夫。
俺だってジサマに負けないくらいバサマのことが好きだし、愛してるくらいだし。」



「ガキが一丁前に愛してるなんて言いやがって!!
俺なんて菊とセックスしてたんだからな!?」



「バサマが俺のことを善人って言い出してからその自慢何なんだよ!!」



吹き出しながらジサマに文句を言うと、ジサマが怒った顔のまま俺に口を開いた。



「菊がお前のことを善人って呼んでるけどな!!
あれは本当は俺に言ってるんだからな!?
勘違いすんなよ!?」



「するわけねーだろ!!
俺は朝人なのに!!」



「どうせ俺は間借りさせてもらってるただの爺さんだよ!!」



「早く行ってこいよ爺さん!!
バサマが台所グチャグチャにしてたぞ!!」



「いいんだよ、俺とか朝人の為に何か作ろうとしてるんだろ!?」



「そうやって好き勝手にさせてたからこの前バサマが徘徊しちゃってただろ!!
近所の人も巻き込んで探しまくっただろ!!
上の鍵閉めるの忘れんなよ!?」



「・・・あれは焦ったな。
俺でも分からなかった。
歳だろうな、昔程分からないことが増えてきた。」



ジサマが深刻な顔でそう言ってから、俺のことを見てきた。



「本当に向こうの家に行くつもりないのか?」



“向こうの家”とは俺のお母さんの妹の家。
神社の近くにある平屋の大きな家のこと。
そこでオバサン夫婦と俺の2人の従姉が暮らしている。



「行かねーよ。
バサマがどんな姿になっても俺だって一緒にいたい。
最後まで・・・最後まで一緒にいたい。」



さっき抱き締めたバサマのガリガリだった身体を思い出しながら言った。



「朝人が高校に入る前に向こうの家に行くのが良いって、そう強く浮かんできたことがあったんだけどな。」



「俺のこと舐めんなよ?
俺が何十年も早く生まれてたら俺もバサマに口説きまくってたからな?」



「俺とバサマが結婚してなかったらお前存在してねーだろ!!」



「そんな分かりきったこと指摘してくんなよ!!
それくらいバサマのことが好きだって話だよ!!」



ジサマとそんなやり取りをした。



ある意味幸せだったのかもしれない、そんなやり取りをした。
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