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たまに悪口みたいな言葉も出てくるオジサンだけど、そんなに悪い人ではないとは分かるので言い返すこともなく調理場へと戻った。



そして調理器具を洗っていると・・・



「味、濃・・・・っっっ!!!!」



お店の中だけではなくお店の外にまで聞こえるくらい大きな声をオジサンが出した。
むせながらお茶まで飲んでいて、それには慌てながらオジサンの元へと急いだ。



急ぎながらもオジサンの姿を見て、私は慌てて謝罪をする。



「すみませんでした・・・!!
常連さん達と同じように作ってしまって!!
肉体労働の方ではないですよね!?
すぐに作り直します!!」



朝に来ている常連さんはみんな肉体労働をしている人達だった。
そのお客さん達の要望に合わせて味付けをしていたのをすっかり忘れていた。



お茶を一気に飲んだオジサンが凄く笑いながら魚定食を見下ろす。



「ここまで味付けの濃い料理は初めて食った!!
めちゃくちゃ目が覚めた!!!
すっげー目が覚めた!!!」



大笑いしながらそんなことを言って、魚定食を下げようとした私の手をオジサンが制止してきた。



「出されたものは全部食べるから。
明日もまた来るから、そしたら普通の飯食わせてよ。」



「はい、本当にすみませんでした・・・。」




“悪い人ではない”どころか凄く良い人だと思いながらまた調理器具を洗い始めると・・・



「味、濃・・・っっっ!!!
・・・ハァーッハァーッハァーッ」



私がお代わりとして出したお茶をまた一気に飲んでいる姿を見て、オジサンにまたお茶を出しに行く。



そしてまた調理器具を洗い始めたら・・・



「味、濃・・・っっっ!!!
・・・あー・・・っハァーッハァーッ、死ぬかと思った・・・。」



またお茶を一気に飲んでいたのでまたお茶を持っていき・・・



それを何度か繰り返し・・・



「もう食べなくていいから!!!」



お茶が入った湯呑みを3つ勢い良くテーブルに置き叫んだ。



「もう帰って!!!
勿論お代もいらないから!!!」



「まだ全部食ってねーから!!」



「一口食べる度に文句言われたら流石にムカつくから!!」



「これは言うだろ!!
これは味が濃すぎる!!
ちょっと食ってみろよ!!」



オジサンがそう言って、自分が使っていたお箸で魚の身を取り私に向けてきた。



「いや、無理。
間接キスになるし。」



私の言葉にオジサンはまた吹き出し、爆笑し始めた。



「間接キスとか久しぶりに聞いた!!
やっぱり小学生だろ!!」



「はあ!?違うし!!
高校生だって間接キスとか言うから!!」



「俺の従妹も女子高生だけどもう使ってねーよ!!
俺の食い掛けでも普通に食ってるくらいだし!!」



「それは従兄のだからでしょ!?
私とオジサンはそういう関係でもないから無理でしょ!!」



「オジサンって・・・俺今年で25だぞ!?
オジサンじゃねーだろ!!」



「私からしてみたらオジサン以外の何者でもないから!!」



「そんなこと言ったらお前はガキだからな!?
そういう関係でもねーのに思わず俺の箸で食い掛けを食べさせようとしたくらい、お前はガキだからな!?」







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